Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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論理数学(Mathematical Logic) 盛 拓生
1年 前期 専門基礎科目必修 2単位
【情電・前期】 19-1-0427-2349

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

  本講義では大学で学ぶ理工学系の科目で必要となる数学の基礎を学びます。特に、情報科学あるいは論理回路を中心とする電気・電子工学で必要となる数学の基礎を学びます。
 集合は大学で学ぶ全ての数学の基礎となります。大学では集合を基礎として、その上に代数学、解析学、幾何学などを学ぶこととなります。
 論理はコンピュータのプログラム、論理回路の構成に必須です。また情報科学の基礎的を理解するには基本的な証明技法と、帰納、再帰、基礎的な代数学の概念を理解していることが重要です。
 本講義では、上記のような数学を理解することを目標とします。
 この科目では、学位授与の方針(ディプロマポリシー)DP3、DP4C及びDP4Mに関連する能力を修得します。

2.
授業の到達目標

 この科目では次のような能力を修得することを目標とします。
 学生は、基本的論理演算、論理関数の定義を説明することができる。
 学生は、論理関数が与えられたときにその真理値表を求めることができる。
 学生は、真理値表が与えられたときにその論理関数の標準形を求めることができる。
 学生は、与えられた真理値表からカルノー図を構成し、カルノー図の性質を用いて論理関数を簡単化できる。
 学生は、含意の形式で表される論理式に対して等価な論理式を複数示すことができる。
 学生は、順命題となる含意形式の命題に対して、裏命題、逆命題、対偶命題を求めることができ、順命題と対偶命題の等価性を説明できる。
 学生は、含意形式の命題に関して、必要条件、十分条件、必要十分条件を説明できる。
 学生は、命題論理、述語論理それぞれののDe Morganの法則を利用することができる。
 学生は、集合を外延的記法、内包的記法を適切に選択して表現すことができる。
 学生は、与えられた集合に対して、和集合、積集合、補集合、差集合、冪集合を求めることができる。
 学生は、集合をベン図で表現したり、ベン図に示される集合を集合演算で表すことができる。
 学生は、写像、関数の基本的な性質を説明できる。
 学生は、再帰的定義、数学的帰納法、再帰的アルゴリズムについて説明できる。
 学生は、関係の和と積を求めることができる。
 学生は、同値関係の定義およびその性質を説明することができる。
 学生は、基本的な代数構造である半群、モノイド、群、環、体の定義、性質を説明することができる。
 学生は、代数構造の演算表が与えられたときに、単位元、逆元、補元が存在する場合にこれらを求めることができる。
 学生は、順序関係、順序集合、ブール束の基本的な性質を説明することができ、ブール束と論理数学の関係を説明することができる。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

 中間レポート(50%)、期末試験の成績(50%)。
 講義内容、レポート、試験への質問、フィードバック等はは原則的にLMSまたはオフィスアワーで対応します。

4.
教科書・参考書

テキスト: 小倉久和著、"離散数学への入門、わかりやすい離散数学、" 近代科学社、2005.
ISBN-13: 978-4764903210
使用教材: LMS

5.
準備学修の内容・必要な時間

 講義前に昨年度または今年度の講義スライド、講義ノート及び関連する資料をLMS上に掲載します。講義前にこれらの資料を利用して1.5時間程度の予習してください。
 これらの資料は講義で利用するスライドと同じ内容を含んでいます。これらの資料は事前に印刷するかスマートフォン、タブレット等にダウンロードして授業中に参照できる状態にしてください。講義中はスライドの内容をノートに写すことに専念するのではなく、先に述べた資料を参照しながら話を聞いて理解したり、講義中の演習問題を解くことに専念してください。
 また、原則として各講義に対する演習課題をLMSのテストとして公開します。これらのテストは評価の対象とはしませんが、復習等に利用してください。復習には1.5時間程度が必要です。

6.
その他履修上の注意事項

 中間レポートが提出されない場合単位の取得が著しく困難になります。中間レポートは締め切りを守って必ず提出してください。
 自主学習支援に関しては,LMS上の講義資料、テストを積極的に活用してください。
 同時に履修すべき科目はプログラミング1、線形代数です。
 事後に履修すべき科目は離散代数、情報理論、そしてコンピュータとプログラミングに関連する科目全てが該当します。 
 中間レポート及び期末試験の学習について質問がある場合は原則的にオフィスアワーで対応します。
 この科目はJabeeプログラムの必修科目で、学習・教育到達目標中項目3-1に対応しています。 

7.
授業内容

【第1回】
論理と証明1 -命題、述語-
【第2回】
論理と証明2 -論理演算、真理値表-
【第3回】
論理と証明3 -論理演算の完全性、完全系-
【第4回】
論理と証明4 -順命題と対偶命題、逆命題、裏命題、必要条件と十分条件、背理法
【第5回】
論理関数の標準形 -加法標準形、乗法標準形-
【第6回】
論理関数の簡単化 -カルノー図-
【第7回】
補数/集合論1 -集合と論理演算-
【第8回】
集合論2
【第9回】
写像・関数 -単射、全射、全単射-
【第10回】
帰納・再帰 -数学的帰納法、再帰的定義、再帰的アルゴリズム-
【第11回】
関係1 -関係の表現、関係の和、関係の積-
【第12回】
関係2 -関係行列、推移的関係、同値関係
【第13回】
代数系 -群、環、体-
【第14回】
順序集合と束 -ブール代数系-
【第15回】
テスト、まとめ