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授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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農業経済学Ⅰにおいて日本の主要な農業種類の生産・経営のあり方を学んだ成果の上に立って、農業経済学Ⅱでは各農業種類・各階層規模の経営体について、経営状況とその問題点を知り、改善の方向をどこに求めるべきであるかについて検討します。特に、問題状況の改善のために採用されている各種の農業政策の内容を知り、今日その役割を大きくしている所得補償政策=直接支払い政策の論理と活用方法について学びます。さらに農協の組織と事業について検討し、農業経営体が行政的施策と農協の経済事業とを活用して、自らの経営力を高めていく方式についてもふれます。授業は講義形式を中心にしますが、ディスカッションや参加者に課題を設定した上でプレゼンテーションをしてもらう方式も併用します。この科目は学科のDP1の修得をめざすものです。
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授業の到達目標 |
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・農業経営体の経営内容を理解できるように、各種の農業統計や貸借対照表・損益計算書によって経営体の実態と問題点を理解することができる能力を身につけます。 ・農業経営の存続可能性を左右する農業後継者の確保状況とその背後にある経済計算について理解します。 ・農業経営の改善をめざす農業政策の意図・手法・効果・限界などを、諸外国のそれと対比しつつ、理解します。 ・国際交渉上で話題になることの多い農産物貿易自由化の論理と実態について理解します。 ・農業経営を支える農協の組織と事業について理解し、進行中の「農協改革」の性格についても理解します。
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3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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定期試験50%、小テスト30%、発表・レポート20%を目安として評価します。試験、レポートの後には、フィードバックとして、設問・出題の意図、模範解答、誤答とされる理由、得点の分布などについて講評します。
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4. |
教科書・参考書 |
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教科書は使用しません。参考書はその都度、必要に応じて、入手しやすいもの・わかりやすいものを「ぜひ読むべきもの」、「読むことが望ましいもの」など重要度がわかるように紹介します。
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準備学修の内容・必要な時間 |
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授業のたびに要旨を書いたプリントを配布しますので、復習として必ずその全文を読み返すとともに、使用されているいくつかのキーワードの意味、他の概念との関連・相違点などを事典・用語辞典などで調べてノートに記録し、正確に活用できるようにします。予習としては、毎回の授業の最後に翌週の授業のテーマ、今回と次回の授業の内容的な関連などについて解説しますので、そのテーマに関連するキーワードなどについてノートに書きだすなどして、授業に臨みます。予習・復習の時間の目安としては、授業時間と同程度の時間が必要です。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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農業統計は国勢調査、農業センサス、農業経営調査、食料需給表など、国が作成している大型の統計類をたくさん含んでいます。web頁に順次掲載されていく農業経営に関わる多数の表・グラフから農業経営の特徴を読み取ること、必要に応じて個々の論点を実証するための図表類を作成することなどをできるようにしましょう。
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授業内容 |
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【第1回】 | 産業別就業者数の推移と現状ー国勢調査を読む | 【第2回】 | 農業経営統計を読む①ー農業種類間の比較 | 【第3回】 | 農業経営統計を読む②ー同一農業種類内の階層格差に注目して | 【第4回】 | 生業的経営と企業的経営ー法人経営と農家の経営統計を比較する | 【第5回】 | 農業センサスを読むー農業経営体・就業者の把握方法 | 【第6回】 | 後継者確保の経済論理ー必要所得水準をめぐって | 【第7回】 | 新規就農者育成政策の必要条件 | 【第8回】 | 農業企業の形成過程ー大規模化の実態 | 【第9回】 | 企業の農業への参入 | 【第10回】 | 所得補償=直接支払い政策の展開ー価格支持政策の制約を超えて | 【第11回】 | 農産物貿易交渉の意義と手法 | 【第12回】 | 農産物貿易交渉の実際ー日本への影響に注目して | 【第13回】 | 農協の組織実態 | 【第14回】 | 農協の事業実態 | 【第15回】 | テストとまとめ |
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