Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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数学科教育法2(Mathematics Teaching 2) 福田 千枝子
3年 後期 教職科目 2単位
【資格・後期】 19-1-0889-2602

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

 数学科教育法1(前期)と本科目を通して高等学校数学の指導法を学びますが、本科目は主に高校数学Ⅱ,Ⅲ及びB の内容について取り上げます。
 授業は教材研究と模擬授業の2つのパターンから構成されます。教材研究の授業では、高校数学の内容を教える立場から振り返り,高等学校学習指導要領に沿って体系的に位置づけ、教材開発の基礎力を養います。模擬授業では、授業の担当者として授業計画を立て進行役を体験,また互いに他の学生の授業評価を行います。
 このような学習活動を通して、高等学校数学の目標と教授方法を学ぶと共に、教員としての表現力やコミュニケーション力を身に付け、授業を行う基礎となる力を養います。

2.
授業の到達目標

・高等学校数学の教員として必要な数学的な知識を身につけ,教材研究に活用することができる。
・教える立場から高等学校数学を見直し、高等学校の数学の体系を説明することができる。
・高等学校数学の一部について、指導案をつくり、授業設計をすることができる。
・計画した指導案に沿って,授業を実施することができる。
・模擬授業を振り返り,授業改善の視点を見つけることができる。
・数学用教育ソフト及びその他の情報機器の効果的な活用を理解し,授業設計に活用することができる。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

模擬授業担当者は指導案と授業計画、担当者以外は略案と模擬授業に対する評価。(30%) 採点して返却
授業内の教材研究課題 8回 (40%) 採点して返却
期末定期試験 (期末試験期間)(30%) LMSに模範解答を提示

4.
教科書・参考書

教科書:
 ・中学校・高等学校教科書、参考書(各自が使用したもので可、特に指定はしないが必須です。)
参考サイト:
 ・高等学校学習指導要領解説 数学編理数編 平成30年7月 文部科学省
  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1407074.htm
参考図書:
 ・文部科学省 『中学校学習指導要領解説 数学編 平成29年7月』 日本文教出版大阪 
  ISBN-13: 978-4536590129 
その他の教材:
 ・図書館に数社分の中学数学・高校数学の教科書が備えてあるので比較し参考にしてください。
 ・授業資料(初回配布)
 ・LMSに資料を提示
 ・数学教育用のソフト(Grapes、Geogebra:フリーソフト)各自ダウンロードして随時活用してください。

5.
準備学修の内容・必要な時間

初回の授業で、授業資料(授業ごとにその回のテーマ、該当する高校教科書の単元、学習指導要領の範囲、確認問題をまとめたリスト)を配布します。
この授業は2つのパターンからなります。
(授業パターン1):単元ごとに数学的な内容をまとめる授業
 ・準備学修:授業資料を参照しながら高校教科書の該当部分の内容を確認し、確認問題を解き、授業に臨みます。(60分)
・授業では、確認問題を解答するなかで、当該単元の流れやポイント、指導要領での位置づけをまとめます。さらに授業中に配布する課題をグループワークで考えます。
 ・事後学修:グループワークで考えた課題を各自レポートにまとめて提出します。(60分)
(授業パターン2):模擬授業を中心に実践力を養う授業
・準備学修:模擬授業実践者は、前授業で扱った単元の範囲で指導案を作成し事前に教員との打ち合わせをします。担当者以外は略案を作成して授業時に提出します。(100分)
・授業では、担当者が模擬授業を行い、それ以外のメンバーは授業のテーマに沿って評価します。模擬授業終了後、評価を持ち寄ってグループで討議します。
 ・事後学修:グループでの討議も含めて、模擬授業に対する評価をまとめて提出します。

6.
その他履修上の注意事項

確認問題の解答はLMSに掲載しますので、確認してください。
中学校・高等学校においては生徒自身が数学を楽しいと感じ、数学に触れ、自分で考え、数学を発見することが大切です。その立場に立って、数学教育における指導内容・方法を考えていきます。実際にもの(教材)を作り模擬授業をしながら、学生参加型で数学を楽しむ工夫をしたいので、学生の積極的な発言・参加を期待します。

7.
授業内容

【第1回】
(授業パターン1)
いろいろな式(数2), 図形と方程式(数2)
学習指学導要領の位置づけと基本問題を確認し、課題のレポートを提出します。
【第2回】
(授業パターン2)
担当者が模擬授業(1)を実施します。
その後指導案の書き方をテーマとして模擬授業を評価します。
【第3回】
(授業パターン1)
指数関数・対数関数(数2)
学習指導要領の位置づけと基本問題を確認し、課題のレポートを提出します。
【第4回】
(授業パターン2)
担当者が模擬授業(2)を実施します。
その後授業の組み立てをテーマとして模擬授業を評価します。
【第5回】
(授業パターン1)
三角関数(数2)
学習指導要領の位置づけと基本問題を確認し、課題のレポートを提出します。
【第6回】
(授業パターン2)
担当者が模擬授業(3)を実施します。
その後学習の評価をテーマとして模擬授業を評価します。
【第7回】
(授業パターン1)
微分・積分の考え方(数2) 
学習指導要領の位置づけと基本問題を確認し、課題のレポートを提出します。
【第8回】
(授業パターン2)
担当者が模擬授業(4)を実施します。
その後学習への動機づけをテーマとして模擬授業を評価します。
【第9回】
(授業パターン1)
数列(数B),ベクトル(数B) 
学習指導要領の位置づけと基本問題を確認し、課題のレポートを提出します。
【第10回】
(授業パターン2)
担当者が模擬授業(5)を実施します。
その後板書計画,ICT活用の教材の作成をテーマとして模擬授業を評価する。
【第11回】
(授業パターン1)
平面上の曲線と複素数平面(数3)
学習指導要領の位置づけと基本問題を確認し、課題のレポートを提出します。
【第12回】
(授業パターン2)
担当者が模擬授業(6)を実施します。
その後、発問・生徒と授業者との対話をテーマとして模擬授業を評価します。
【第13回】
(授業パターン1)
極限(数3),微分法(数3)
学習指導要領の位置づけと基本問題を確認し、課題のレポートを提出します。
【第14回】
(授業パターン1)
積分法(数3)
学習指導要領の位置づけと基本問題を確認し、課題のレポートを提出します。
【第15回】
数学科教育法1,2を通してのポートフォリオ 学習の振り返りを行います