Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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環境エネルギー工学 (Technology of Environment & Energy) 森 一俊
1年 前期 専門科目選択 2単位
【専工前・前期】 19-3-1004-3009

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

人類が生活している地域や無限と思われていた地球の自然が、人類の豊かな生活や経済活動の拡大で如何に疲弊しその浄化能力を失いつつ有るかを紹介、人類の生存環境の現状を理解します。そして人類の生活や経済活動を根幹で支えて来た資源エネルギーについて学び、文明の発展に貢献し大きな役割を担う化石燃料の有限性と地球環境への影響を把握します。そして、原子力エネルギーの特質も理解します。次いで、人類の生存環境の維持と、更に知的で高度な文明創出に貢献可能な太陽や風力などの再生可能エネルギーについて詳細に学びます。そして最後に現代文明の申し子とも言える自動車の利便性にも触れ、その将来の姿をイメージしながら低炭素化社会実現のための社会的・工学的な方策を模索、社会システムの構築・提案に繋げます。プレゼンテーション(2回)とグループワーク&発表形式の講義(12回)を行います。
この授業ではDP1~DP6についての知識、技法、態度を修得します。

2.
授業の到達目標

現代文明の発達と人口の増加に伴い、人類は一層豊かな生活や食料確保のために開発を進め、消費エネルギーも大幅に増大、微妙なバランスで成り立っている自然界の循環・再生システムを侵して来ました。その結果、自然の浄化能力を越えて地域・地球環境の綻びが目立ち、逆に人類の生存・存続環境が脅かされています。
この人類が自ら引き起こして来た未曾有の危機について学び、人類が創出した現代文明が持つ課題を明らかにします。そして地域・地球環境を保全し人類の生存環境を維持しつつ、更に知的で高度な文明を創出するための工学的な方策を模索します。特に人類の生存活動に貢献する資源とエネルギーに着目、環境にやさしい再生可能エネルギーについても詳細に学び、理解を深める事を目的にします。更には、低炭素化社会実現に向け、環境技術を扱うための素養を身に付ける事と、自動車を含めた社会システムの将来の在り様をイメージ・構築する事も目標としています。従って,学生は,環境に関する知識とプレゼンテーションスキル(技能)を身に付け、そして環境エネルギーに関する自らの将来の取り組み方(態度)を議論する事が出来ます。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

講義中に行うプレゼンテーション&グループ討議内容(60%)とレポート&演習結果(40%)で評価します。
提出されたレポート(課題演習)内容及び実施したプレゼンテーション&グループワーク&発表形式の講義の評価結果を、コメントや補足説明を加えてフィードバック(結果への評価を返却・解説)を行います。

4.
教科書・参考書

テキスト:「環境にやさしい新エネルギーの基礎」藤井照重・中塚勉・土本信孝・毛利邦彦著、森北出版
     「低炭素化社会への挑戦」一般社団法人,エネルギー・資源学会編、オーム社
教材:「これからのエネルギーと環境」-水・風・熱の有効利用-,阿部剛久 他著、共立出版
   「環境の科学 三訂版 われらの地球,未来の地球」山口勝三・菊池立・斎藤紘一著、培風館
   「環境リテラシー 第2版」稲生勝・岩佐茂・大日方聰夫・吉埜和雄著、リベルタ出版
   「環境白書 H30年版」環境省編

5.
準備学修の内容・必要な時間

この講義は,機械・精密システム工学科3年次授業『環境工学』の発展ですが、環境工学を履修していなくても理解出来るように紹介・説明・解説します。ただし、環境やエネルギーへの意識の高さや一般的な知識が必要です。
予備学修として、テレビや新聞及びインターネットなどに出てくる環境とエネルギーに関する事象や情報及び記事などについて興味を持ち、グループワークのテーマを自身で調べ、自分の考えを纏める(約1.5時間)と共に、学んだ内容とLMSに掲載された資料・教材に目を通しつつ、毎回のグループワーク&発表内容を復修し理解を深めて下さい(約1.5時間)。プレゼンテーション&討議形式の講義(2回)には準備のために十分な時間を取って望み、自身が満足出来る発表と質疑討論が行えるようにして下さい。そして自らの考え、行動に繋げて下さい。

6.
その他履修上の注意事項

LMSへの資料・教材掲載とパワーポイントによる動機付けに次いで、グループワーク&発表やプレゼンテーション&討議形式の講義と主体とし、理解度の向上と素養を身に付け提案力、コミュニケーションやプレゼンテーション能力向上に繋げます。更に、講義毎に個人記録表を配布・記載・回収・チェック・返却する事で講義の振り返りを実施し、教員の講義の質向上&改善、学生の講義内容の理解度向上、学生と教員間の意思疎通を図ります。

7.
授業内容

【第1回】
地域・地球環境問題とその歴史
【第2回】
地球温暖化(グループワーク&発表)
【第3回】
資源の有限性克服への挑戦と化石燃料(グループワーク&発表)
【第4回】
原子燃料(グループ討議)
【第5回】
太陽エネルギー(グループワーク&発表)
【第6回】
風力エネルギー(グループ討議)
【第7回】
廃棄物エネルギー&バイオマスエネルギー(グループワーク&発表)
【第8回】
水力・海洋・地熱エネルギー&未利用エネルギー(グループワーク&発表)
【第9回】
プレゼンテーション&討議
【第10回】
需要サイドのエネルギー技術:クリーンエネルギ自動車、コジェネ等(グループワーク&発表)
【第11回】
需要サイドのエネルギー技術:燃料電池、熱エネルギ利用技術等(グループワーク&発表)
【第12回】
交通・物流システムの改革&建築物の省エネルギーと低炭素化(グループワーク&発表)
【第13回】
スマートエネルギーネットワークシステム
&エネルギーの導入と評価法-環境保全に向けて-(グループワーク&発表)
【第14回】
プレゼンテーション&討議
【第15回】
総括(グループワーク&発表)