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授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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本講義では、植物の生長と分化を制御しているメカニズムについて学習します。まず、植物の種子休眠・発芽、栄養生長〜生殖生長を制御する仕組みについて、関連した英文文献・原著論文を用いて学習します。また、実際に植物科学研究に活用されている分析技術やバイオリソース・データベースの特徴について概説した後、バイオリソースの選択と取得法、データベースを用いた遺伝子発現解析等に関する講義とプレゼンテーション、グループ討論を行います。 この講義では、DP1,2,3に関する知識、経験、問題解決能力、応用力を習得します。
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2. |
授業の到達目標 |
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近年の機器分析技術や分子生物学の発展により、植物の様々な生命現象が分子レベルで解明されてきています。また、これらの研究の進展には、様々な機関によって整備されたバイオリソース・データベースが重要な役割を担ってきました。本科目では、植物の種子発芽と生長、花成、および環境応答などの分子メカニズムについて理解できること、これらの研究に活用されたバイオインフォマティクスの理論と実際を学び、バイオリソース・データベースを利用できることを目標としています。
・植物ホルモンが関与する生理現象と関連する生合成・代謝酵素遺伝子とその情報伝達系について理解し、例を挙げて説明できる。 ・遺伝子データベースを利用して、目的の遺伝子情報や発現プロファイル・生合成マップの検索ができる。 ・目的のバイオリソースの検索と取得の方法が理解できる。 ・以上の情報を簡潔にまとめてプレゼンテーションを行うことができる。
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3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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プレゼンテーション(70%)と期末総合課題(30%)によって評価します。 授業の最後に全体に対するフィードバックを行います。
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教科書・参考書 |
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使用しません。必要に応じてプリントなどを配布します。 <参考書> 中村保一 他編『バイオデータベースとウェブツールの手とり足とり活用法(羊土社)』 浅見忠男、柿本辰男編 『新しい植物ホルモンの科学 第3版(講談社)』 小柴共一 他編 『植物ホルモンの分子細胞生物学(講談社)』
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5. |
準備学修の内容・必要な時間 |
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学部での「分子遺伝学」、「植物化学」、「植物分子生物学」、「基礎バイオインフォマティクス」の知識を前提とします。 予備学習として1.5時間程度、関連する学術論文や参考書等を読み、各回の課題に関連する内容などについてノートにまとめておいて下さい。 復習として1.5時間程度、講義で学んだ内容について、ノートにまとめて下さい。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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あらかじめ出した課題に対して各人の発表を行い、それに基づいて討論や解説を行います。 また、コンピューターを用いて遺伝子発現解析に関する演習を行います。
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7. |
授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション・植物生理学の発展と分子生物学 | 【第2回】 | 植物ホルモンの生合成と情報伝達 | 【第3回】 | 種子の休眠と発芽(1)発芽とジベレリンの機能 | 【第4回】 | 種子の休眠と発芽(2)休眠とアブシジン酸の機能 | 【第5回】 | 種子の休眠と発芽(3)環境情報の受容とクロストーク | 【第6回】 | 植物の生長と分化(1)根・不定根・側根形成 | 【第7回】 | 植物の生長と分化(2)茎の伸長 | 【第8回】 | 植物の生長と分化(3)葉の形態形成 | 【第9回】 | 植物の生長と分化(4)花成・生殖 | 【第10回】 | 植物の環境応答 | 【第11回】 | バイオインフォマティクス概論・バイオリソースとデータベース | 【第12回】 | バイオリソースの種類と利用法 | 【第13回】 | データベース(1)NCBI、DDBJを用いた演習 | 【第14回】 | データベース(2)トランスクリプトーム、メタボローム解析 | 【第15回】 | データベース(3)総括と総合課題 |
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