Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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生体分子構造解析学 (Structural Analysis of Biomolecules) 内田 健一
1年 後期 専門科目選択 2単位
【専工前・後期】 19-3-1014-2342

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

生体分子を含めて、有機化合物の構造を明らかにするために欠くことのできない分析法である核磁気共鳴分光法(NMR)について基礎を学びます。NMR法の原理を理解するためには量子力学的な説明が必要となりますが、本講義では、あまり詳しい原理には執着せず、様々な測定法から得られる情報をどのように組み合わせていけば分子の構造を明らかにすることができるのかに主眼を置きます。授業は講義形式で進めますが、適宜ペアワークを行います。 この授業ではDP1、DP2に関する知識や能力を修得します。

2.
授業の到達目標

様々な生体成分や微生物の二次代謝産物から、タンパク質や核酸などの生体高分子に至るまで、分子生物学的な研究を行うためには、その分子がどのような構造をしているのかを知ることが不可欠です。タンパク質のような生体高分子であっても、その分子の大きさはきわめて小さいので、分子の構造を知るためには様々な機器分析法が用いられます。本講義では、主にNMRを用いる構造解析法の原理と応用について理解し、低分子化合物の構造解析ができるようになることを目標とします。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

最後に提出してもらう構造解析のレポート(100%)により評価します。最後に構造解析の結果を解説することでフィードバックを行います。

4.
教科書・参考書

必要に応じてプリントを配布します。

5.
準備学修の内容・必要な時間

有機化学、特に分子の成り立ち(化学結合)や、構造異性体や立体異性体について復習しておくことが重要です。また、事前に、次回の講義のキーワードを十分に調べてノートにまとめておいてください(1時間)。また、講義後に課題を解いて理解を深めてください(1時間)。

6.
その他履修上の注意事項

特にありません。

7.
授業内容

【第1回】
分子の構造と様々な構造解析法
【第2回】
1H-NMR法の原理 1 : 原子核と電磁波の相互作用
【第3回】
1H-NMR法の原理 2 : 化学シフト、スピン結合、面積強度比
【第4回】
1H-NMR法の原理 3 : スピン系と部分構造
【第5回】
1H-NMR法の原理 4 : スピン解析入門
【第6回】
13C-NMR法の原理  : パルスフーリエ法によるNMR
【第7回】
2次元NMR法 1    : シフト相関スペクトル…COSY
【第8回】
2次元NMR法 2    : シフト相関スペクトル…CH-COSY
【第9回】
2次元NMR法 3    : 感度の向上…プロトンデテクション、HMQC
【第10回】
2次元NMR法 4    : 遠隔スピン結合の検出…HMBC法
【第11回】
立体特異的な構造解析   : 核オーバーハウザー効果(NOE)とNOESY
【第12回】
構造解析の実際 1    : 分子式の決定(MSスペクトルの利用)
                : 官能基の存在確認(赤外線吸収スペクトルの利用)
【第13回】
構造解析の実際 2    : 演習問題と解説 1 (簡単な化合物の例題)
【第14回】
構造解析の実際 3    : 演習問題と解説 2 (やや複雑な化合物の例題)
【第15回】
まとめ