Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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生体理工学 (Biomedical Materials and Engineering) 吉成 宏巳
1年 後期 総合工学科目選択 2単位
【専工前・後期】 19-3-1017-2345

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

生体工学および生体材料の基礎的知識から臨床応用の具体例までを幅広く講義します。
まず生体材料および人工代替材料について学び、次にそれらで構成された生体や人工臓器に関する力学的・生化学的問題について講述します。
加えて医療電子工学や各種治療デバイスの原理や具体例についても紹介します。
要所で計算問題や小レポートを課し、自らの問題として取り組んでもらいます。
この授業ではDP1に関する知識、技法、態度を修得します。

2.
授業の到達目標

自然科学や工学の分野は生体の仕組みを学ぶことで多くの知見を得て来ました。一方、19世紀末以降の理工学分野の技術の導入により、医療技術も目覚しい発展を遂げて来ました。医学と理工学とは昔から互いに関連し補完し合う関係にあり、人間のための科学技術を考える者にとって将来的にも重要な分野となっています。本講義では医用生体材料および人工臓器につながる生体工学に重点を置き、内容の理解を目指します。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

レポート(2~3回を予定)の内容で評価します。
レポートは返却し、解説します。

4.
教科書・参考書

特になし

5.
準備学修の内容・必要な時間

力学系の物理学、生物学の基礎知識を前提とします。
予備学習として1.5時間程、次回の授業範囲のキーワードについて調べ、ノートにまとめておくこと。
復習として1.5時間程、ノートの整理とレポートの準備をすること。

6.
その他履修上の注意事項

講義形式で授業を行います。

7.
授業内容

【第1回】
医用生体技術の概説 : 境界領域としての生体工学、研究の歴史
【第2回】
生体材料の性質 : 硬組織系および軟組織系材料の組成と構造、力学的特性
【第3回】
金属系材料 : 開発の歴史、ステンレス、Co-Cr、チタン、各種特性、実用例と応用
【第4回】
セラミックス系材料 : アルミナ、HA、カルシウム系、カーボン系、製造法と各種特性、実用例と応用
【第5回】
ポリマー系材料 : 高分子材料の種類、製造法と各種特性、実用例と応用
【第6回】
医用生体材料の諸問題 : 体内での劣化・破壊の問題、耐久性、生体反応と親和性、医用複合材料
【第7回】
生体の流体力学1 : 心臓および血管の構造と機械的特性、心臓疾患
【第8回】
生体の流体力学2 : 血液の機能と血管内流体力学、血管系の疾病
【第9回】
生体の機械力学 : バイオメカニクス概説、力学、静的解析問題、粘弾性解析
【第10回】
生体計測 : 生体の電磁気的特性、心電図、X線、MRI、超音波
【第11回】
医用物理学とその応用 : 画像診断技術、温熱・衝撃波・放射線治療等
【第12回】
人工臓器1 : 人工関節、人工血管、人工透析、人工心臓の歴史と課題
【第13回】
人工臓器2 : 人工中耳・内耳、人工視覚、機能障害補助の取り組み
【第14回】
医用工学と社会 : 安全基準、各種評価試験法、PL法、生命の倫理問題
【第15回】
授業の総括 : 医用工学の現状と将来の課題