Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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ヘリコプター工学 (Helicopter Engineering) 平本 隆
1年 後期 専門科目選択 2単位
【専工前・後期】 19-3-1023-3035

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

回転翼機の典型的な概念設計の進め方に沿って、各自で選んだ規模のヘリコプターを設計します。
設計の手順は授業内容で示す順序に従って、形態設定から基本的な性能推算まで実施します。これらを実施することを通じて、飛行原理を解析的に考えること、ロータの空気力学、飛行力学を数値的に理解します。
この講義では、DP2に関する設計における問題解決の手法を修得します。

2.
授業の到達目標

ヘリコプターの概念設計を実施することで、以下のことを得ます。
①ヘリコプターの飛行原理とロータに関する空気力学を解析的に理解できること
②ヘリコプター設計の基礎プロセスを通じて重要な設計要素を理解すること
③ヘリコプターの飛行特性、性能の算出方法を修得すること

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

設計の進捗に沿って提出する設計レポートを内容(80%)および設計結果のプレゼンテーションおよび討議内容(20%)で評価します。
設計レポートは、設計ステップ毎に提出を求めます。それらはチェックし、返却するので、次のステップに生かします。

4.
教科書・参考書

教科書は特に指定しません。設計に必要な資料等は、講義において配布します。
ヘリコプター設計に関する参考書としては、下記があります。
 加藤寛一郎・今永勇生著、「ヘリコプタ入門」(東京大学出版会)
 日本航空技術協会、「ヘリコプタ」(日本航空技術協会)
 W.J.Wagtendonk、"Principles Helicopter Flight"(Aviation Supplies & Academics, Inc.)

5.
準備学修の内容・必要な時間

授業は、学部の「ヘリコプター工学概論」を履修していることを前提とし、「航空機設計」、「航空機力学」で学修したことを基本とします。授業にあたっては理解レベルに応じて、講義資料による補足を行いますが、事前に配布する資料に沿って、基本事項の予復習をしてください。また、ヘリコプター全般の理解のために紹介する参考書により準備学習することを薦めます。
基本的設計作業は、準備学修で行い(週1~2時間)、講義ではその設計結果の発表・確認を行います。

6.
その他履修上の注意事項

講義では、自分で設定した仕様に基づくヘリコプターの概念設計を行います。講義は順をおって進めますが、設計作業を先行させることも可能ですので、作業進捗によっては、講義形式や内容を変更します。

7.
授業内容

【第1回】
設計のプロセス:ヘリコプターを含む航空機の開発手順について理解する
【第2回】
ヘリコプターの設計:設計全般計画、設計する機体規模を設定する
【第3回】
メイン・ローター設計(1):運動量理論と翼素理論について学ぶ
【第4回】
メイン・ローター設計(2):前回講義内容を用いて、メイン・ローター寸法、翼型を設定する
【第5回】
パワー概算(1):ヘリコプターのパワーについて学ぶ
【第6回】
パワー概算(2):必要パワーを推算し、設計したメイン・ローターの成立性を確認する
【第7回】
降着装置:降着装置について学び、適切な様式、構成を選定する
【第8回】
機体諸元のまとめ:これまでの成果のまとめと確認
【第9回】
テール・ローター設計:テール・ローター寸法を設定する
【第10回】
パワー概算見直し(1):これまでの設定条件から機体重量を推算する
【第11回】
パワー概算見直し(2):推算された機体重量とローターパワーを比較して成立性を確認する
                  要すれば、設定値を見直す
【第12回】
エンジン選定:既存のデータから必要な出力・性能を有するエンジンを選定する
【第13回】
基本性能確認:速度、航続距離等の基本的な性能を計算し、要求値と比較する
【第14回】
機体形状(三面図)まとめ:設計結果を機体三面図、性能表にまとめる
【第15回】
設計結果発表:各自が設計したヘリコプターについてプレゼンテーションを行う