Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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ナノ・巨視融合材料強度学特論 (Advanced Course on Interdisciplinary Approach to Strength and Fracture of Materials) 磯貝 毅
2年 通年 専門分野選択 2単位
【専工後・通年】 19-3-1038-2327

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

材料強度と破壊に関する問題の解決のためには、アトム・ナノ尺度における微視的組織と巨視組織・試片寸法・形状といった巨視因子の影響を非線形に融合させた検討が必要です。本講では問題解決のために必要な種々のアプローチについて講述し、降伏、脆性破壊、疲労破壊、クリープ、といった異なる破壊様式とそれらの相互関連性について、ミクロからマクロにわたる観点から論じます。加えて、金属、セラミック、高分子、複合材料の枠組における材料強度と破壊特性の共通点と相違点に着目した統一的概念について解説します。授業は主として講義形式ですが、適宜問題演習を行い、その結果を発表してもらいます。
この授業では、DP1、DP2、DP3に関する知識、技術、能力を修得します。

2.
授業の到達目標

材料の強度と破壊について、ミクロ因子と巨視因子を融合してとらえる材料強度学的取り扱いを理解し、その応用力を養成することを目的とします。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

提出レポートにより評価します。フィードバックは授業中に適宜行います。

4.
教科書・参考書

教 材:その都度配布します。
参考書:「材料強度と破壊学」 学振先端材料強度第129委員会編、技報堂(1999) 
      ISBN4-7655-3251-8
     「材料システム学」 学振先端材料技術第156委員会編、共立出版(1997) 
      ISBN4-320-07140-9  
     「改訂 材料強度学」 日本材料学会編、日本材料学会(2005)ISBN4-901381-26-1
     「材料強度学(第2版)」 横堀武夫著、岩波書店(1974)*       
      *絶版につき図書館等で利用して下さい。

5.
準備学修の内容・必要な時間

・授業内容は修士課程の授業より専門的です。
・学部、及び大学院修士課程の「材料学」、「材料力学」及び「材料強度学」等の科目に関連がありま
 す。履修者がこれらの科目の基礎を修得している事を前提に、授業を進めて行きます。
・毎回の授業前に該当する項目について、参考書や関連する学部の授業科目の教科書を読み、
 基本的事項を理解しておくようにして下さい。(1.5時間)
・授業で学んだ事項についてノートや配布資料を用いて復習して下さい。また、参考書の関連部分や
 文献を自分で探し、当該項目に関する知識とその理解を深めて下さい。(1.5時間)
・ 詳しい準備学修の内容については授業内で指示します。

6.
その他履修上の注意事項

適宜プリントを配布して、講義を行います。

7.
授業内容

【第1回】
ナノ・巨視融合材料強度学総論  : 強度と破壊現象の多様性、比較材料強度学
【第2回】
切欠き材とき裂材の巨視力学1 : 線形弾性破壊力学
【第3回】
切欠き材とき裂材の巨視力学2 : 非線形破壊力学
【第4回】
切欠き材とき裂材の巨視力学3 : 切欠き材における三軸応力、
                      平面ひずみにおける切欠き材の応力分布
【第5回】
ミクロとマクロを結合した破壊力学1 : 巨視破壊力学、同一すべり面上の転位群の平衡分布
【第6回】
ミクロとマクロを結合した破壊力学2 : き裂と転位群の力学、き裂と転位群の相互作用
【第7回】
ミクロとマクロを結合した破壊力学3 : ミクロとマクロを結合した破壊力学、延性破壊、脆性破壊
【第8回】
固体の強度と破壊の確率過程論1 : 確率過程論の基礎
【第9回】
固体の強度と破壊の確率過程論2 : 固体の確率過程論、破壊における遷移確率
【第10回】
固体の強度と破壊の確率過程論3 : 疲労破壊、疲労き裂成長への応用
【第11回】
固体の強度と破壊の確率過程論4 : クリープ破壊への応用、時間依存型破壊、
                        疲労とクリープの相互作用
【第12回】
固体の流動と破壊の移動論と速度過程論1 : 物質移動論、速度過程論の基本概念
【第13回】
固体の流動と破壊の移動論と速度過程論2 : 液体・固体における拡散、拡散クリープ
【第14回】
固体の流動と破壊の移動論と速度過程論3 : 確率過程論の破壊現象への応用
【第15回】
まとめ