1. |
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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制御対象の特性が不確かさや複雑な非線形性などを含む場合、古典的制御手法や単なる状態フィードバック制御手法では制御性能向上に限界があります。制御工学の分野では1980年代以降、このような制御対象への適用をおもな目的として、いくつかの新しい制御手法の発展と実用化が進められてきました。この授業の第一のねらいは、これらの中で代表的な手法を理解して今後のさらなる発展に対応できるとともに、実システムでの問題解決ができるようにすることです。第二のねらいは、現代の科学技術社会において制御工学をどのように役立てていくか、科学技術者としての倫理観に基づいて判断できるようになることです。
この授業では,理工学研究科の学位授与の方針DP2に関する知識,技法,態度を習得します。
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2. |
授業の到達目標 |
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古典制御理論と現代制御理論(状態フィードバック制御手法)の基本を復習し身につける。
状態フィードバック制御の代表的手法である最適レギュレータと、状態変数の推定に用いるオブザーバーやカルマンフィルタについて制御系設計・調整ができる。
制御対象の特性の不確かさに対処するロバスト制御について、基本的考え方と設計手法を身につけるとともに,応用分野として、振動制御、ロボット制御の基本を理解する。
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3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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授業中に出した小問題の答案を50%、レポートを50%として評価します。
問題の解答は後の授業で説明するので、正解できなかった場合は、できなかった理由を必ず把握してください。
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教科書・参考書 |
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教科書: 岡田 昌史:「システム制御の基礎と応用」 数理工学社, (2008) ISBN-13: 978-4901683524 \2376
参考書: (1) 木村 英紀:「制御工学の考え方」 講談社ブルーバックス (2002), ISBN-13: 978-4062573962, \950
(2) 佐藤 和也,平元 和彦,平田研二:「はじめての制御工学 改訂第2版」 講談社 (2018),
ISBN-13: 978-4065137475,\2,808
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5. |
準備学修の内容・必要な時間 |
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授業内容は最新の制御手法に関するものであり、古典的制御手法と状態方程式の基礎知識が前提になります。微積分、線形代数などの数学的知識も必要です。これらの知識が不十分な場合は事前学習をしてください。
授業では適宜,復習に役立つ問題を出すので、その答案を必ず提出するとともに,授業で学んだ内容は必ず復習してください(1時間以上)。 また、次回の授業予定を知らせるので、次回までに教科書等の該当部分に目を通し、わからない語句はできるだけ調べてノートに記して,授業に臨んでください(1時間程度)。
当該期間に30時間以上が,上記の予復習,問題解答,レポート作成に必要です.
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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おもに黒板による講義形式で進めます。
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授業内容 |
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【第1回】 | 古典制御理論
古典的制御手法とその限界 | 【第2回】 | 状態フィードバック制御(1)
状態フィードバック制御概要、極配置制御 | 【第3回】 | 状態フィードバック制御(2)
最適レギュレータと評価関数 | 【第4回】 | 状態フィードバック制御(3)
オブザーバーとカルマンフィルタ | 【第5回】 | ロバスト制御(1)
モデル化誤差、スモールゲイン定理 | 【第6回】 | ロバスト制御(2)
H∞制御と混合感度問題 | 【第7回】 | ロバスト制御(3)
H2制御、応用例 | 【第8回】 | 離散時間制御(1)
微分と差分,差分方程式表現 | 【第9回】 | 離散時間制御(2)
離散時間フィルタ | 【第10回】 | 離散時間制御(3)
フーリエ級数 | 【第11回】 | 制御応用(1)
倒立振子の制御 | 【第12回】 | 制御応用(2)
振動制御 | 【第13回】 | ロボット制御(1)
モーターの制御 | 【第14回】 | ロボット制御(2)
ロボット運動学 | 【第15回】 | ロボット制御(3)
座標変換、まとめ |
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