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授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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演習は少人数で濃密に議論しあう場であり、論じられているテーマについて、一人一人が積極的に参加して発言することが不可欠です。活発な議論を通じて各参加者が論理的に考え、説得的に発言する態度と能力を養うことは、生涯にわたる人間能力の開発につながります。取り上げる論題については経済学ないし地域経済論等に関わる領域である限り、参加者の希望を積極的に取り入れますが、具体的には農業経営分析と経済政策分析との二つを取り上げる予定です。前者によって特定産業の個別経営を分析する具体的な手法を身につけ、後者によって現実の経済政策を理解し論評する視点を得られるようにします。この科目は学科のDP1,2,3の知識・技能・態度を総合的に獲得することをめざしています。
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2. |
授業の到達目標 |
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・農業経営分析については穀作・野菜作・畜産のそれぞれの大規模経営の経営実態の調査報告書などを用いて、経営の評価、見通しなどについて議論します。農業は国際競争力を持てるのか、政策によってどの程度保護すべきなのか、消費者と生産者はどのような関係にあることが望ましいのか等、論争の多い論点について、その現状とあるべき方向について活発に討論する力を身につけていきます。
・経済政策論については、新聞や経済雑誌などに掲載されている経済政策批判等を教材にして、それらがどのような経済思想に立脚して論理を組立てているのかについて議論します。そうした議論を通じて、金融や外国為替や税法など、理屈だけでは理解しにくい領域についても実感をもって議論できるようになります。
・自分の主張とその根拠について、短時間で簡潔な文章を書き上げることができるようになります。
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3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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演習への参加の熱心さによって成績を評価します。演習において示される積極性、発言の活発さ、論旨の妥当性、発想の独創性など、知的生活への能動的接近態度が重要です。また、演習における議論を盛り上げるためにも、個人プレーではなく知的な共同作業として、討論内容が活性化するように協力を惜しまない姿勢が求められます。
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4. |
教科書・参考書 |
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教科書は指定せず、毎回の教材は教師が用意します。参考書は必要に応じて紹介しますが、各文献の魅力等を紹介して、皆が読んでみたいと思えるように工夫します。
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準備学修の内容・必要な時間 |
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復習としてはその日の議論の中で言及されたキーワードなどについて辞典等によって知識を確実なものとすることを心がけるとともに、その日の演習で確認できた論点、未確定の論点、議論の中でうまく言えなかったこと等をノートに整理し、その後の演習の場で必要に応じて発表できるようにしておきます。予習としては、順番に指名される報告者にあたった場合に、教師と十分に相談し、必要な文献等の紹介を得て、少なくとも5時間程度の時間をかけて報告を準備します。報告者にあたっていない通常時の予習・復習時間は演習の時間と同じ程度を目安とします。
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その他履修上の注意事項 |
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演習は討論に参加することが不可欠なので、無断の欠席はありえません。やむをえず欠席した場合は、その日の演習テーマに関わる論点についてレポートを提出してもらいます。
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授業内容 |
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【第1回】 | はじめにー参加者の興味・関心を披露しあう | 【第2回】 | 大規模米作経営の事例検討 | 【第3回】 | 大規模畑作経営の事例検討 | 【第4回】 | 大規模畜産経営の事例検討 | 【第5回】 | 金融の緩和と引き締め | 【第6回】 | 財政の拡張と緊縮 | 【第7回】 | 成長戦略とその手段 | 【第8回】 | 規模拡大の手法とその条件 | 【第9回】 | 規模拡大の失敗例 | 【第10回】 | 規模拡大と人的条件 | 【第11回】 | 経済政策の帰結ー意図した結果と意図せざる結果 | 【第12回】 | 金融政策の功罪ー銀行経営の立場から | 【第13回】 | 経済政策を支える統計の信ぴょう性 | 【第14回】 | 小規模堅実経営の事例 | 【第15回】 | まとめの討論 |
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