Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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地方財政論Ⅰ(Local public financeⅠ) 内貴 滋
3年 前期 専門 基礎系選択 2単位
【地域・前期】 19-1-1132-1968

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

最近の地方財政を取り巻く状況を大きな変革を迎えています。その姿を正しく理解した上、「民主主義の学校」と呼ばれる地方自治を支える地方財政の基本的制度と今日的意義を学びます。
地方自治体は住民にとって最も身近な基礎的団体であり、誕生の時の住民届けから始まり、保育所・幼稚園・小中高校の教育、病院、高齢者福祉など生涯にわたる基本的行政サービスの供給主体です。また、公共事業を通じて社会資本整備の担い手として国の2倍の歳出規模を誇る公的資本形成の主体でもあります。
 地域経済を学ぶ学生にとって不可欠である地方財政の基本を わかりやすく解説し、現在の自治体の職員と同様な知識が身に着くよう実践的な学習ができ、授業を通じてDP(1・2・3)に関する知識・技能・態度を習得しますます。なお、毎回、アクティブラーニングとして学生の将来に備え「君たちはどう考えるか」を題材に学生との意見交換(ディスカッション)を実施します
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は総務省及び出向した自治体(北海道庁・大分県庁・富山県庁・北九州市等)において地方財政政策の立案を始め自治体の予算編成の責任者として自治体の財政を指導してきた経験を持っています。授業では国や自治体における財政政策の実態や直面した課題などを題材とした財政の議論等を行います

2.
授業の到達目標

国と地方は車の両輪と言われますが、地方公共団体の行政は外交・防衛を除く、全ての分野に及び、支出ベースでは国家支出の2倍の規模を誇ります。規制、給付など通常の行政に止まらず、独自の財源としての地方税を徴収し、財政支出を通じて権力構造の一翼を担います。地方財政の理解は地域経済の理解にとって、また、将来社会へ参画する基礎知識として極めて重要です。
 教官は地方財政を所管する自治省・総務省において地方財政制度全般を企画立案するとともに、財政局指導課長、財務調査課長として全国47都道府県、3300市町村(現在1700市町村)の個別の財政指導にあたっていました。
 また、大分県財政課長、富山県総務部長、北九州市副市長として都道府県、政令市の財政責任者として自治体の予算編成、議会対策、政策執行など財政運営に直接 携わりました。
 これらの経験を踏まえ 中央政府、地方自治体の財政についてその基本となる制度の考え方と実践を論じ、
地域経済を公的に支える自治体の取組や真の姿を研究し、複雑と思われがちな財政の仕組みを身近なものとして理解を身につることを目標とします。がんばれば自治体の職員に匹敵する知識が得られます。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

定期試験(70%)及びレポート(30%)で評価します。解答はその後の授業等で解説・評価しフィードバックします。

4.
教科書・参考書

教科書   『英国地方自治の素顔と日本』、ぎょうせい 内貴滋著ISBN978-4-324-10126-1
      (上記の文献は地方自治法Ⅰ・Ⅱの他 行政法I・Ⅱ、地方行政論Ⅰ・Ⅱ、公共政策論Ⅰ、
       地方財政論Ⅰ・Ⅱ、地方自治行政演習Ⅰ・Ⅱ、危機管理論の共通の教科書です。)

レジメ  LMSに掲載するのでダウンロードして持参のこと

5.
準備学修の内容・必要な時間

予習として各回の授業内容に該当する範囲をLMSに掲載する授業資料を読み、専門用語の意味をまとめ持参すること。(1.5時間)
また、事後学習として単元のまとめとして配布する「君たちはどう考えるか」などの小レポートを学習すること。(1.5時間)

6.
その他履修上の注意事項

政府やふるさとの県、市町村のことに関心を持ちましょう。

7.
授業内容

【第1回】
地方財政はアジサイの花 夕張市の破綻の教訓
【第2回】
財政・経済の全体状況
【第3回】
地方財政の今日的課題
【第4回】
地方税制の今日的課題
【第5回】
地方税(総論)
【第6回】
地方税(各論)
【第7回】
地方財政計画の意義と役割
【第8回】
地方交付税の意義と役割
【第9回】
地方交付税の意義と役割(-実際に計算してみよう。
【第10回】
地方交付税をとりまく議論
【第11回】
国庫支出金の役割と課題
【第12回】
地方債
【第13回】
使用料・手数料
【第14回】
地域振興と財政-地域への行政投資はどうなっているのか
【第15回】
三位一体改革など行政改革と地方財政