Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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機械力学1(Mechanical Dynamics1) 黒沢 良夫
2年 後期 専門基礎科目必修 2単位
【機械・後期】 19-1-1372-3314

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

本科目は機械と関わりの深い振動現象を扱います。機械や構造物が繰り返し負荷を受けて破壊したり、自動車の乗り心地などの問題に対して、設計改良するための重要な基礎工学です。機械振動学の基礎として、1自由度の振動を取り扱います。質点・ばね・減衰からなる簡単なモデルを用いて、1自由度系の自由振動、固有振動数、強制振動、共振現象など振動学の基礎を学習します。この授業では、学位授与の方針(ディプロマポリシー)DP2,3,4に関する知識・技術・能力を修得します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において自動車の研究・開発業務に携わっており、授業では、企業における実例や実体験、現場での課題などを題材とした議論等を行います。

2.
授業の到達目標

学生は、質点・ばね・減衰からなる簡単なモデルを用いて、1自由度系の自由振動、固有振動数、強制振動、共振現象など振動学の基礎を習得し、基礎的な原理と法則を理解し、計算できるようになることを目標とします。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

期末試験(65%) 小テスト(20%) プリントや講義中に出された課題(15%)
※基本的に講義に2/3以上出席しないと成績評価の対象になりません。
小テストは採点後返却し、講義中に解説を行います。プリントは解答例をLMSにアップします。

4.
教科書・参考書

教科書:岩田佳雄、佐伯暢人、小松崎俊彦 共著
    新・数理/工学ライブラリ[機械工学=5]「機械振動学」 数理工学社 ISBN978-4-901683-80-7
参考書:中川憲治、室津義定、岩壷卓三 共著
    「工業振動学 第2版」 森北出版 ISBN978-4-627-91071-3

5.
準備学修の内容・必要な時間

応用力学、物理学2、応用数学1、材料力学1について復習しておいて下さい。同時期に開講される応用数学2も受講することを勧めます。毎回講義で学習したテーマについて、忘れないうちに教科書の例題・問題などを解き、理解したことが定着するようにして次の講義を受ける準備としてください。当該期間に”7.各回の授業内容”に記載されている『予習』『復習』と小テスト・期末試験の勉強を合わせて45時間以上行ってください。

6.
その他履修上の注意事項

・関数電卓を毎回持ってきてください。
・“7.各回の授業内容”はあくまで予定であり、理解度によって進捗が前後することがあります。講義を欠席した際は必ず進捗を確認し、予習・復習を行ってください。

7.
授業内容

【第1回】
振動の事例紹介(機械と振動、モデル化、振動解析の手順、調和振動)
『予習』教科書P2~9を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、内容を理解しておくこと。
【第2回】
振動の基礎(調和振動のベクトル表示と複素数表示、調和振動の合成)
『予習』教科書P9~15を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、内容を理解しておくこと。
【第3回】
1自由度不減衰系の自由振動-1(ばね質量系の振動、回転系の振動)
『予習』教科書P24~34を通読し、公式等について理解しておくこと。応用力学の慣性モーメントについて復習しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、例題1,例題2について自分でもう1度解いておくこと。
【第4回】
1自由度不減衰系の自由振動-2(等価系とエネルギ方程式)
『予習』教科書P35~41を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、例題3について自分でもう1度解いておくこと。
【第5回】
1自由度減衰系の自由振動-1(減衰機構、粘性減衰系の運動)
『予習』教科書P41~48を通読し、公式等について理解しておくこと。応用数学1の定数係数2階線形微分方程式について復習しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、内容を理解しておくこと。
【第6回】
1自由度減衰系の自由振動-2(クーロン摩擦による減衰系)
『予習』教科書P48~51を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、クーロン摩擦と粘性減衰の違いについて理解しておくこと。
【第7回】
1自由度減衰系の自由振動-3(粘性減衰とクーロン摩擦の両方の場合)
『予習』教科書P51~53を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、P54第3章の問題1について自分でもう1度解いておくこと。
【第8回】
小テスト、1自由度不減衰系の強制振動-1(運動方程式と強制振動の解)
『予習』教科書P24~54が小テストの出題範囲です。講義で扱った公式・例題等を復習し、もう1度自分で例題や問題を解いておくこと。
『復習』講義ノートを復習し、確認しておくこと。
【第9回】
小テストの解説と前半のまとめ
『復習』小テストの解説を確認し、間違った問題は必ず自分でもう1度解いておくこと。プリントを次回までに解いて提出すること。
【第10回】
1自由度不減衰系の強制振動-2(応答曲線と共振)
『予習』教科書P60~61を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、P100第4章の問題1(a)(b)について自分でもう1度解いておくこと。
【第11回】
1自由度減衰系の強制振動-1(粘性減衰系の強制振動)
『予習』教科書P63~66を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、P100第4章の問題1(c),2について自分でもう1度解いておくこと。
【第12回】
1自由度減衰系の強制振動-2(振動エネルギと等価粘性減衰係数、クーロン摩擦系の強制振動、内部摩擦系および構造減衰系の強制振動、ヒステリシス減衰)
『予習』教科書P67~73を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、内容を理解しておくこと。
【第13回】
1自由度減衰系の強制振動-3(不釣合い外力による強制振動、変位入力による強制振動、振動伝達と防振)
『予習』教科書P74~81を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、内容を理解しておくこと。
【第14回】
任意外力加振と過度応答(インパルス応答)、ラプラス変換による振動解析
『予習』教科書P81~82,P86~90を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、ラプラス変換(応用数学1,2)について復習しておくこと。
【第15回】
ロータ系の振動
『予習』教科書P94~99を通読し、公式等について理解しておくこと。
『復習』講義ノートを確認し、例題2について自分でもう1度解いておくこと。