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授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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この授業では家計の収入ないし給付面を取り上げて、私たちの現代の日常生活の経済的実態についての基礎知識を習得します。具体的には第一に、大半の学生がいずれ企業に雇用されて給与を得て生活するようになることを想定して、雇用をめぐる法的・経済的な諸問題について学習し、第二に、給与所得だけでは対処できない人生での大きなリスクをカバーするための社会保障制度として、社会保険と生活保護の制度を理解した上で、人生における労働の意味の再考を迫るベーシック・インカムの思想についても検討します。これらのテーマを実感をもって学習できるように、ディスカッション、グループ学習の方式も可能な範囲で取り入れます。この科目は、学科のDP1,2,3に関わる基礎的科目として位置づけられています。
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2. |
授業の到達目標 |
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・いわゆる「日本的労使関係」の特徴と、今日におけるその変容の実態について理解し、今後のその変化について議論することができる。
・資本主義的な自己責任観念だけでは社会問題が深刻化してしまう現実から生まれた社会権理念と、それを体現した社会保障制度の理念と仕組みについて、社会保険と公的扶助を中心に理解します。
・福祉国家の成果と限界について財源問題と制度の公平性について理解し、自分の判断を持てるようになります。
・社会的包摂における労働の意味の再考を迫るベーシック・インカム論について、その経済思想史的な文脈を理解し、自分の判断を持てるようになります。
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3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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定期試験50%、小テスト30%、発表・レポート20%を目安として評価します。試験実施、レポート提出後には、フィードバックとして、設問・出題の意図、模範解答、誤答とされる理由、得点の分布などについて講評します。
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4. |
教科書・参考書 |
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教科書は使用しません。参考書はその都度、必要に応じて、入手しやすいもの・わかりやすいものを「ぜひ読むべきもの」、「読むことが望ましいもの」など重要度がわかるように紹介します。
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準備学修の内容・必要な時間 |
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授業のたびに要旨を書いたプリントを配布しますので、復習として必ずその全文を読み返すとともに、使用されているキーワードの意味、他の概念との関連・相違点などを事典・用語辞典などで調べてノートに記録し、正確に活用できるようにします。毎回の授業の最後に、翌週の授業のテーマ、今回と次回の授業の内容的な関連などについて予告しますので、それを参考にして、関連するキーワードなどをノートに書きだして授業に臨みます。予習・復習の目安としては、授業時間と同程度の時間が必要です。
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その他履修上の注意事項 |
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暮らしの経済Ⅰを履修していることが望ましいですが、していなくても講義のつながりがわかるように配慮します。
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授業内容 |
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【第1回】 | 家計の収入と所得 | 【第2回】 | 雇用者と自営業者 | 【第3回】 | 雇用関係の経済と法ー民法的世界と労働法的世界 | 【第4回】 | 年功給と最低賃金制度 | 【第5回】 | 学卒時一括採用と終身雇用制度 | 【第6回】 | 労働組合の役割ー企業別組合の意義 | 【第7回】 | 経済政策と政策論争 | 【第8回】 | 福祉国家ー自己責任と国家責任の関係 | 【第9回】 | 比較対象としての社会主義経済 | 【第10回】 | 社会保険①ー公的年金の仕組み | 【第11回】 | 社会保険②ー健康保険と介護保険 | 【第12回】 | 社会保険③ー失業保険と失業問題 | 【第13回】 | 生活保護の制度と実態 | 【第14回】 | ベーシックインカムの思想 | 【第15回】 | テストとまとめ |
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