Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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農山漁村振興特論(Rural Area Development Advanced Course) 加瀬 和俊
1年 前期 基礎科目選択 2単位
【専地前・前期】 19-3-1455-4203

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

過疎化・少子高齢化が続く地域で、地元の主要産業が農業・林業・漁業などの自然産業である地域は少なくありませんが、こうした地域では都市近郊の平地農村に比較して、自然条件が厳しく、効率的な農業を営むことが困難です。 このコースでは、こうした地域においてどのようにして農業を含む地元産業の発展を図る方針がとられているのか、そうした方針の成果がどのようなものであるのか、さらに、その目標を達成するためにはどのような新たな公的支援が求められているのかなどを学びます。こうした学習と、地元農業の潜在的な可能性を引き出そうとする各種の計画を吟味する努力を通じて、学生はDP1に対応する能力を身に着けることができるようになります。

2.
授業の到達目標

・どのような自然条件の地域ではどのような産業が適性を持っているのかについて理解します。また自然を人為的に改善して種々の産業の発展を図っている事例から、不利な自然条件の下でも地域振興が不可能なわけではないことを示す教訓をくみ取ることができます。
・自然的条件・社会的条件が不利な地域の地方自治体とその職員が、どのような意識と手法を用いて地域経済と住民生活の向上をはかる努力をしているのかを示す事例の学習を通じて、地域経済振興のための努力について方針を検討することができます。
・地域に居住する人々とその地方自治体の努力を支援するために、国が行っている支援方策について知り、その改善方法について検討し提言することができます。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

成績評価はレポートで50%、授業への貢献度を含む平常点で50%とします。レポートに対してはフィードバックの方法として、理論的・実証的両面について詳細な講評を行います。

4.
教科書・参考書

 教科書・参考書は指定しません。重要な参考文献は重要箇所をプリントして渡します。

5.
準備学修の内容・必要な時間

 授業後には誤りを直すためだけではなく、重要な概念の意味を正確に理解するために、ノートを注意深く読み直し、加筆して下さい。配布した文献は部分的にではなく全体を読むようにして下さい。予習・復習の時間は授業時間と同程度以上とします。

6.
その他履修上の注意事項

 過疎地における就業機会拡大、地元産業振興に関わるテレビ番組やインターネット上の映像は少なくありません。それらを努めてみるようにして、実感をもって農山漁村の振興策をめぐる諸問題を理解できるようにします。

7.
授業内容

【第1回】
農山漁村の地理的特性
【第2回】
農山漁村の経済的不利性
【第3回】
農山漁村の人口移動
【第4回】
地域類型と農業①ー平場農村
【第5回】
地域類型と農業②ー中間地農村
【第6回】
地域類型と農業③ー山間地農村
【第7回】
統計を読む、統計を作る①ー国勢調査
【第8回】
統計を読む、統計を作る②ー農業センサス
【第9回】
統計を読む、統計を作る③ー市町村決算カード
【第10回】
統計を読む、統計を作る④ー地方所得統計
【第11回】
振興事業の調整者ー市町村役場の性格と機能
【第12回】
振興事業の経済的担当者ー総合農協の組織と事業
【第13回】
振興事業へ参加する生産者集団ー農産物直販所
【第14回】
地域における産業連関の作り方
【第15回】
まとめの討論