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授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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次のような内容を学習します。 (1)結像理論と結像光学系 (2)物質の励起と発光の物理 (3)光の量子性と統計的性質 (4)光検出素子の仕組み (5)蛍光イメージング (6)多光子イメージング この科目は、ディプロマポリシー2と特に関連があります。
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2. |
授業の到達目標 |
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光を使って画像情報を得るイメージング技術の歴史は、人間の視覚系の光電子工学的模倣に始まりますが、人類の光や物質に対する科学的理解の深化とそれらへの操作能力の拡大により、現在その適用範囲は人間の見ることのできる領域を超えて、大きく広がっています。特に近年は、光や固体電子の量子的な性質を用いたイメージング技術の進展が著しく、たとえば、光のエネルギーの粒(光子)1個に感度をもつ超高感度固体イメージング技術や、複数の光子が狭い領域で同時に吸収される現象を利用した3次元多光子イメージング技術などが、様々な分野の研究の現場において、身近に利用可能になってきました。 本授業では、上記技術を理解し、イメージング機器を目的に応じて的確に利用できるようになるために必要な、光と固体電子の量子物理の基礎やデバイス技術について学びます。
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3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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授業中の演習への取り組み(50%)およびレポート(50%)で評価します。 演習中はその場で助言を与え、レポートは提出の翌週に評価をつけて返却します。
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト:なし。授業で用いた資料のファイルを、私の授業資料配布サイトで配布するようにします。 参考書: ①今井洋著「光波工学を学ぶ」理工図書(2010) ②日本分光学会編「顕微分光法-ナノ・マイクロの世界を見る分光法-」講談社(2009) ③三村秀典他著「ナノビジョンサイエンス-画像技術の新展開-」コロナ社(2009) ④Seitz et al eds., "Single-Photon Imaging", Springer (2011) ⑤平尾一之他「フェムト秒テクノロジー-基礎と応用」化学同人(2006)
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5. |
準備学修の内容・必要な時間 |
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授業資料および参考書の対応する箇所を、授業前後でよく読むようにしてください(各1.5時間程度)。 授業第1~3回は参考書①、授業第4,7,11~14回は参考書②、授業第6回は参考書③、第9~10回は参考書④、授業第13回は⑤が参考になります。 授業内で扱う計算式は、演習やレポート課題に取り組む際に使いますので、自分で使いこなせるようよく復習しておいてください(各1.5時間程度)。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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なし。
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7. |
授業内容 |
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【第1回】 | 光の古典物理 | 【第2回】 | 幾何光学の基礎 | 【第3回】 | 結像理論 | 【第4回】 | 結像光学系の構造と機能 | 【第5回】 | 量子力学の基礎 | 【第6回】 | 固体バンド理論 | 【第7回】 | 物質の励起と発光の物理 | 【第8回】 | 光の量子論 | 【第9回】 | 光の統計的性質 | 【第10回】 | 光検出素子の仕組み,単一光子検出 | 【第11回】 | 蛍光イメージング技術とその例 | 【第12回】 | 非線形光学基礎:物質と複数の光子の相互作用 | 【第13回】 | 超短パルスレーザの仕組みと種類 | 【第14回】 | 多光子イメージング技術とその例 | 【第15回】 | 多光子イメージングの未来:絡み合い光子対と量子イメージング 授業の進行は、進捗によって変える可能性があります。 |
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