Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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危機管理論(Crisis Management) 内貴 滋
2年 後期 専門 地方自治・行政選択 2単位
【地域・後期】 19-1-1496-1968

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

①危機管理の基本論(対象、支える人々、リーダーシップのありかた、失敗の意義)を学ぶ
②中央政府と地方自治体の危機管理体制、災害対策基本法、消防法、国民保護法などの基本法制を学ぶ
③具体的事件とその対応を学ぶ
④皆が危機に直面したら―リスクマネジメントからクライシスマネジメントへ その対応を学びます。
⑤安全・安心の社会の実現のために 何が必要かを学びます。
以上の授業を通じてDP(2・3)に関する知識・技能・態度を習得します
なお、毎回、アクティブラーニングとして学生の将来に備え「君たちはどう考えるか」を題材に学生との意見交換(ディスカッション)を実施します。また、学外授業の一環として危機対応を体験している消防団員などから実際の経験談を聞くことができます。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は総務省及び出向した自治体(北海道庁・大分県庁・富山県庁・北九州市等)において阪神淡路大震災後の国の災害対策の責任者として災害対策基本法の改正を担当しました。また、自治体においては実際の災害対策を指導した経験を持っています。授業では国や自治体における災害対策の仕組みと実際に直面するた課題などを題材とした議論等を行います。
 

2.
授業の到達目標

東日本大震災・阪神淡路大震災と未曾有の災害を被りましたが、我が国は災害列島とも呼ばれ、中央政府・地方自治体において自然災害・事故災害への対応は最重要課題です。教官は総務省消防大学校長や国土庁(現内閣府)防災局防災業務課長などを経験し中央政府において災害基本法改正、防災業務計画策定の任にあたり、また、災害救助活動の主要な役割を担う消防職員の幹部候補生の研修の責任者でした。その経験を踏まえ、国の防災対策の基本とその背景を論じます。また、現在、政府の原子力損害賠償審査会の専門委員(地方自治体関係)を務める立場から災害被災に対する賠償や消防・警察・自治体職員の公務上の公務災害制度をもとりあげます。
 なお、災害対応の基本は地方自治体が行うのが基本ですが、政令市副市長、県総務部長などの立場で実際に取り扱ってきた実例を解説し、リーダーシップ、情報のありかた、危機管理の責任と対応のあり方など幅広くとりあげます。
 したがって、危機管理のあり方を学ぶことは、公務員を志す学生はもとより、NPO,民間企業での活躍を目指すものにも当然、共通の役立つものとして具体的に論じながら、必須なものとして身につけることができます。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

定期試験の成績(70%)及びレポート(30%)で評価する。解答はその後の授業等で解説・評価しフィードバックします。

4.
教科書・参考書

教科書  『英国地方自治の素顔と日本』、ぎょうせい 内貴滋著ISBN978-4-324-10126-1
     (上記の文献は地方自治法Ⅰ・Ⅱの他 行政法I・Ⅱ、地方行政論Ⅰ・Ⅱ、公共政策論Ⅰ、
       地方財政論Ⅰ・Ⅱ、地方自治行政演習Ⅰ・Ⅱ、危機管理論の共通の教科書です。)
     『イギリス消防事情』新版)内貴 滋著 海外消防情報センター

レジメ  LMSに掲載するのでダウンロードして持参のこと
        

5.
準備学修の内容・必要な時間

予習として各回の授業内容をLMSに掲載する授業資料を読み専門用語の意味を整理し持参すること。(1.5時間)
また、事後学習として単元のまとめとして配布する「君たちはどう考えるか」などの小レポートを学習し解答を準備すること。(1.5時間)

毎日の出来事のなかにも危機に対する心構えが培われます。そういう心構えで臨機応変に対応するには何が必要か常に考える態度を訓練してください。

6.
その他履修上の注意事項

毎日の出来事の中にも危機に対する心構えが培われます。そういい心構えで臨機応変に対応するには何が必要か
常に考える態度を訓練してください。

7.
授業内容

【第1回】
オリエンテーション -ハインリッヒの法則と消防団員の訓練の実際
【第2回】
国の防災体制の責任を担って―消防大学校校長・内閣府防災担当として
【第3回】
阪神淡路大震災とその後の国の新たな防災制度の構築
【第4回】
ナホトカ号事件
【第5回】
危機管理の基本(1)危機管理とは 日本人の危機管理意識
【第6回】
(2)危機への対応 情報活動
【第7回】
(3)危機に取組む組織と人のありかた
【第8回】
(4)危機におけるリーダーシップ― ロンドン同時爆破テロと
【第9回】
危機管理行政の課題
【第10回】
自分の命を賭して戦う(1)消防の組織と活動
【第11回】
(2)負傷したり死んでしまったら―公務災害補償制度
【第12回】
ミサイルが飛んできたら―国家的な緊急事態
(1)有事法制・武力攻撃
【第13回】
(2)国民保護法制
【第14回】
原子力事故とその対応―原子力損害賠償法
【第15回】
安全・安心な社会の実現のために
 (昨年と同様、今年度も大学事務局の教務に所属している津吹消防団員からの講義を1コマ予定しています。)