Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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動物生理学実験(Experiments in Animal Physiology) 平澤 孝枝
3年 前期 専門基礎科目選必 2単位
【バイオ・前期】 19-1-1552-3819

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

本実験では4つの実験課題をグループで行います。各実験課題は以下の各回の内容を参照してください。本実験内容は動物系講義で学習した「生物の階層性」を実験を通して再確認します。「分子」として遺伝子改変マウスの遺伝子解析(ジェノタイピング)、「細胞・組織」として脳組織解析、「器官」として解剖観察、「個体」としてマウスの行動解析を行います。これら一連の実験を通して、生命現象に対するより深い学習を行います。本実験ではDP1およびDP2に関する知識・実験技術の習得ならびに総合的思考力の養成を行います。さらに、DP3およびDP4に関する多様な知識・実験技術の活用ならびに課題抽出とその解決法の養成も行います。

2.
授業の到達目標

これまでに履修した動物系の講義内容について、実験を通して生命現象のより深く理解することを到達目標とします。さらに、講義内容の復習に加え、実験の立案、実験の遂行、レポートの作成、プレゼンテーションの実施を通して論理的思考力および課題解決能力の向上を目指します。学生は、実験結果を論理的に解釈し、独自のレポーを作成する。また、グループでの実験を通して、その結果をグループ間で討議しながら、協力して発表(プレゼンテーション)する。実験結果に対する質問に答える(質疑応答)。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

試験は行いません。2/3以上出席し、各課題のレポートおよびプレゼンテーションの評価が60%以上を合格とします。レポートは採点後返却し、ポイントを解説します。プレゼンテーションは教員と学生間で質疑・応答を十分に行います。

4.
教科書・参考書

テキストは特に定めません。配布するプリントを使用します。

5.
準備学修の内容・必要な時間

動物系講義(1年の生物学や細胞生物学、2年の発生生物学、動物生理学、神経科学基礎など)を履修した学生は事前に復習しておいて下さい。各実験ごとに事前学習プリントを配布しますので、そのプリントの課題を行っておいて下さい(およそ1時間)。事前学習プリントは、実験後提出してもらいます。

6.
その他履修上の注意事項

卒業研究において動物系研究室を希望する学生には、履修を強く薦めます。
実験用白衣、名札、実験ノートを各自で用意してください。
解剖や動物アレルギーに不安のある学生は事前に教員(内野もしくは平澤)まで申し出てください。

7.
授業内容

第1回:動物実験倫理ガイダンス、遺伝子改変マウスのジェノタイピング1:マウスの尾からゲノムDNAを抽出します。
第2回:遺伝子改変マウスのジェノタイピング2:PCR法を用いて遺伝子改変マウスの遺伝子を決定し、レポートを作成します。
第3回:マウスの解剖:哺乳類における脳神経系、循環器系、消化器系、泌尿器系を観察・スケッチします。さらに、脳については組織解析のための調製を行います。
第4回:脳の組織染色ならびに観察:抗体染色をした脳切片を蛍光顕微鏡を用いて観察します。さらに、画像データの取得・解析法を学習し、レポートを作成します。
第5回:ウニの発生1:ムラサキウニから卵と精子を採取し受精を行います。また、タコノマクラについても受精を行い、受精後の細胞分裂・成長過程をリアルタイムで観察します。
第6回:ウニの発生2:前日の受精卵について、プリズム幼生まで観察します。また、受精に必須であるカルシウムの生理学的意義を学習します。独自で観察結果をレポートにまとめます。
第7回:マウスの行動解析1:生後まもない新生児マウスを用いて、各グループが立案した行動解析を行います。実験計画の立案については、研究倫理面から教員の指導のもと行います。
第8回:マウスの行動解析2:実施した行動解析について、各グループでの討議後、結果のプレゼンテーションならびに質疑・応答を行います。