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授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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この授業は私たちの日常生活に必要な消費財の流通過程のあり方について、経済学的な分析を加えることを目的にしています。具体的には製造企業自身が顧客に直接に生産物を販売することをせずに、別の経営体である流通業者=商人を介して販売を行う経済的合理性はどこにあるのかという設問からスタートし、続いて卸売商・小売商の分化、百貨店、スーパー、専門量販店、通信販売、コンビニなどの諸業態の発生理由・存続根拠などを順次検討し、最後にそうした業態の流通機構には乗りにくい腐敗性の生鮮食料品の流通のあり方を、卸売市場の役割にそくして学習します。これらのねらいを実感をもって達成できるように、設問にもとづいたディスカッションを重視します。この科目は学科のDP1,2に対応する能力を獲得するための科目として位置づけられます。
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授業の到達目標 |
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・商品の生産者が自らその生産物を販売する場合に比較して、流通業者=商人を介して販売することが生産者にも消費者にも大きなプラスをもたらす理由について理解します。
・各種の小売業の業態の特徴・相違点について知り、その各々がどのような社会・経済事情の下で生成・発展・衰退してきたのかについて、理解し説明することができます。
・消費者の購買行動の特性が、商品流通のあり方を強く規定していることについて理解します。
・腐敗性の生鮮食料品においては、一般の工業製品とは異なって、その商品特性ゆえに卸売市場流通が採用されている根拠について理解することができます。
・現代の経済がかかえている商品流通過程上の社会・経済的問題点について理解することができます。
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3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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定期試験50%、小テスト30%、発表・レポート20%を目安として評価します。試験、レポートの後には、フィードバックとして、設問・出題の意図、模範解答、誤答とされる理由、得点の分布などについて講評します。
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教科書・参考書 |
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教科書は使用しません。参考書はその都度、必要に応じて、入手しやすいもの・わかりやすいものを「ぜひ読むべきもの」、「読むことが望ましいもの」など重要度がわかるように紹介します
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準備学修の内容・必要な時間 |
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授業のたびに要旨を書いたプリントを配布しますので、復習として必ずその全文を読み返すとともに、使用されているキーワードの意味、他の概念との関連・相違点などを事典・用語辞典などで調べてノートに記録し、正確に活用できるようにします。また予習としては、毎回の授業の最後に翌週の授業のテーマ、今回と次回の授業の内容的な関連などについて解説しますので、それを参考にして、重要と思われるキーワードについてあらかじめ調べてその要点をノートに記してください。予習・復習の時間の目安としては、授業時間と同程度の時間が必要です。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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コンビニをはじめとして各種の業態の小売店を利用する際には、自分がその時に採っている消費者行動が、その業態に最もフィットしていることの意味を経済学的に考えてみる習慣をつけるようにします。また、消費者の購買行動の特徴に対応して、自分が生産者ないし流通業者であった場合には、どのような工夫をすることが適切であるのかについても考える習慣を付けるようにします。
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授業内容 |
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【第1回】 | 資本主義的生産における流通過程・流通業者の存在理由・存立根拠 | 【第2回】 | 卸売業・小売業の役割と消費者行動 | 【第3回】 | 伝統的小売店の推移 | 【第4回】 | 百貨店 | 【第5回】 | スーパーマーケット | 【第6回】 | 専門量販店 | 【第7回】 | コンビニエンス・ストア | 【第8回】 | 通信販売 | 【第9回】 | 商店街の役割と機能 | 【第10回】 | 生鮮食料品の流通特性ー卸売市場の役割を中心に | 【第11回】 | 水産物の流通 | 【第12回】 | 青果物の流通 | 【第13回】 | 食肉と輸入品の流通 | 【第14回】 | 農協・漁協の販売事業 | 【第15回】 | テストとまとめ |
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