Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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数理統計学(Mathematical Statistics) 小林 靖之
2年 テキスト授業Ⅱ・Ⅳ 専門基礎科目選択 2単位
【通信・Ⅱ・Ⅳ】 19-1-1658-1978

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

高度に発達している現代のデータ科学の基盤に当たる数理統計学について、その基礎を学びます。具体的には、データから特徴を表す統計量を計算する記述統計、そして確率の基礎を理解した後、データの特徴を推定する推測統計を理解・計算する上で重要な確率分布の概念と様々な離散型・連続型確率分布、そして推測統計の初歩である推定・検定に関する計算する能力獲得を目指します。この科目は、ディプロマポリシーDP1に関連します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業においてコンピュータによるデータ解析業務に携わっており、授業では、企業における実体験、現場課題などを踏まえて、授業で取り上げる様々な統計手法について汎用的な実務上の要点も解説します。

2.
授業の到達目標

数理統計学は様々な分野のデータの理解・推測に欠かせない素養です。この授業では、数理統計学の基礎の理解だけでなく、基礎的な統計計算ができる能力を実際に得ることを目標とします。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

本科目は、提出するレポート2回の合格を単なる受験条件として扱い、科目修得試験のみで評価します。
この試験結果が60点以上ならば合格とします。両レポートに合格する実力があり、同レベルの問題を筆記試験で解答できれば、科目習得試験の合格はたやすいことです。
フィードバック方法として、提出された課題レポートを添削します。

4.
教科書・参考書

教科書:
 「統計学キャンパスゼミ 改訂5」馬場敬之、マセマ出版社、ISBN:978-4-86615-102-1
参考書:
 「基礎統計学Ⅰ 統計学入門」東京大学教養学部統計学教室、東京大学出版会、ISBN:978-4130420655
 「やさしく学べる統計学」石村園子、共立出版、 ISBN:978-4320018082
講義内容を要約したサブテキストをLMSで公開します。

5.
準備学修の内容・必要な時間

7.授業内容に各授業回の詳細を記載しますが、予習としてサブテキストを通読して教科書の要点を調べてください(約1時間)。復習としてテキストにある例題・演習問題や、課題レポートの該当する問題に取組んで下さい(約2時間)。
取組んだ問題に疑問点があれば、テキストの該当箇所を熟読して解決を図って下さい。どうしても解決できない場合は、参考書の参照を強く勧めます。

6.
その他履修上の注意事項

本授業では確率の基礎を扱いますので、確率が苦手であれば高校数学の該当部分を十分に復習して下さい。また、後半にある連続型確率分布では微分・積分を用いますので十分に復習して下さい。さらに理解を深めるために、パソコンの表計算ソフトウェア等で実際のデータを解析することも勧めます。
LMSにサブテキストを掲載します。

7.
授業内容

【第1回】
イントロダクションと記述統計(1) 1変数データ: 統計学で学ぶ知識を概説した上で、平均値や分散等の統計量を解説します。
予習としてサブテキスト「(1)1変数の記述統計」を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の6.1節の問題を解答してください。
【第2回】
記述統計(2) 2変数データの相関関係: 統計学における相関関係とその計算法を解説します。
予習としてサブテキスト「(2)2変数間の相関」を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の6.2節相関係数の問題を解いてください。
【第3回】
記述統計(3) 2変数データの回帰分析: 回帰分析とその計算法を解説します。
予習としてサブテキスト「(3)2変数の回帰分析」を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の6.2節回帰分析の問題を解いてください。
【第4回】
確率の基礎(1) 場合の数・確率の定義: 高校数学で学んだ確率を復習しつつ確率の新たな考え方を解説します。
予習としてサブテキスト「(4)集合と場合の数」「(5)確率の基礎」を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の1.1節と1.2節の問題を解いてください。
【第5回】
確率分布(1) 離散型確率分布とは: 高校数学で学んだ確率を復習しつつ離散型確率分布の概念や期待値・分散等を解説します。
予習としてサブテキスト「(7)離散型確率分布」の前半を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の1.3節確率変数、期待値・分散の問題を解いてください。
【第6回】
確率分布(2) 様々な離散的確率分布: 離散型確率分布として二項分布やポアソン分布を解説します。
予習としてサブテキスト「(7)離散型確率分布」の後半を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の1.3節の二項分布と4.1節の問題を解いてください。
【第7回】
確率の基礎(2) ベイズの定理・事象の独立: ベイズの定理を通じて事後確率の概念や事象の独立を解説します。
予習としてサブテキスト「(6)ベイズの定理」を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の1.2節ベイズの定理や事象の独立の問題を解いてください。
【第8回】
確率分布(3) 連続型確率分布の概念: 離散型確率分布を発展させた連続型確率分布の概念と積分による期待値や分散の計算法を解説します。
予習としてサブテキスト「(8)連続型確率分布」の前半を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の2.1節の問題を解いてください。
【第9回】
確率分布(4) 連続型確率分布における確率変数の変換と2変数の場合: 連続型確率分布における確率変数の変換方法と多変数分布のうち2変数の場合を解説します。
予習としてサブテキスト「(8)連続型確率分布」の後半と「(9)2変数の確率分布」を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の2.2節変数変換と3章の問題を解いてください。
【第10回】
確率分布(5) 連続型確率分布と正規分布: 連続型確率分布を復習した上で重要例として正規分布、さらに正規分布が大きく関わる中心極限定理を解説します。
予習としてサブテキスト「(10)正規分布」と「(9)2変数の確率分布」の平均値の期待値・分散を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の2.1節と4.2節と4.3節の問題を解いてください。
【第11回】
確率分布(6) 様々な確率分布(推定・検定に用いる確率分布)と母集団と標本: 正規分布から派生したχ2分布・t分布・F分布等を解説します。
予習としてサブテキスト「(11)様々な確率分布」を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の2.2節指数分布と5章と7.1節の問題を解いてください。
【第12回】
推定(1) 母集団と標本:数理統計学で重要な推測統計の基礎となる母集団と標本の概念、不偏推定量等を解説します。
予習としてサブテキスト「(12)推定」の前半を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の7.1節の問題を解いてください。
【第13回】
推定(2) 点推定・区間推定: 推測統計の初歩として点推定・区間推定を解説します。
予習としてサブテキスト「(12)推定」の後半を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の7章特に7.2節の問題を解いてください。
【第14回】
検定(1) 検定: 推測統計の初歩として統計的判断を下すために重要な検定の概念を解説します。
予習としてサブテキスト「(13)検定」の前半を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の8章の問題を解いてください。
【第15回】
検定(2) 母分散が未知の場合の検定・母平均の差の検定:実用上重要な母分散が未知の場合の検定と母平均の差の検定を解説します。
予習としてサブテキスト「(13)検定」の後半を通読し教科書の要点をまとめてください。
復習として教科書の8章特に8.2節の問題を解いてください。