Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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色彩学(Color Science) 北嶋 秀子
1年 後期 総合基礎科目選択 2単位
【総合・後期】 19-1-1797-4948

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

 「色彩学」とは「色彩科学」、すなわち色彩を科学的に解明する学問です。

 色彩学は主として物理学・生理学・心理学などの側面から色彩にアプローチします。「色彩文化」や「色彩環境」などの研究分野もあります。すなわち、自然科学から人文科学までを横断的に含む学際的な学問なのです。その中でも色彩学の中心的なテーマを2つ挙げるとすれば、

1)人が色を見分ける仕組み
2)見えた色を記号で厳密に表し、他人に色を伝達する方法

です。これらを学ぶことによって、色彩に関して幅広い知識の修得が可能となります。この授業では特に「光と色」・「色の表示方法」・「色彩調和論」など色彩学の基礎知識を修得することができます。

 なお、この授業は総合基礎科目の学修目標1,3,4に関連します。また、この授業は主に講義形式ですが、適宜グループワークと実習を実施します。

2.
授業の到達目標

 この授業の主たる目標は、以下の通りです。

1) 「光と色」について理解し、その関係を説明することができる。

2) 「色の表示方法」において、2つの表色系を理解し、説明することができる。

3) 「色彩調和論」を理解し、それに則った配色ができる。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

授業への参加状況・受講態度:15%
実習・レポートなどの提出物:25%
期末試験:60%

計100%で評価します。

期末試験・・・解答例・解説を試験の翌日LMSにアップします。

4.
教科書・参考書

『色彩』 大井義雄・川崎秀昭著 日本色研事業(株)ISBN 978-4-901355-27-8

5.
準備学修の内容・必要な時間

各回とも予習(事前)・復習(事後)合わせて、2時間程度が必要です。
詳細については「7.授業内容」の各回を参照してください。






6.
その他履修上の注意事項

パワーポイントを用いて授業を行い、資料は必要に応じて配布します。

授業は「新配色カード199a」(¥780 日本色研事業)を使用しながら進めます。その外にスケッチブック(172×250mm)・のり・はさみ・定規などが必要です。第2回の授業までに用意し、持参してください。

7.
授業内容

【第1回】
ガイダンス、授業計画の説明
 事前:小学館の『日本国語大辞典』で「色」の項をひき、その意味をすべて調べておく。
 事後:「色のはたらき」について、説明するレポートを作成し、次回提出する。
【第2回】
光と色(1)光とは何か、光の性質と色
 事前:「電磁波」と「スペクトル」について調べ、ノートにまとめておく。
 事後:「光」・「分光分布」・「分光反射率曲線」について説明するレポートを作成し、次回提出する。
【第3回】
光と色(2)「眼のしくみ」と「混色」
 事前:絵具の混色(赤+青=紫など)について、可能な限りの混色例を調べ、ノートに記入しておく。
 事後:「網膜」の視細胞と色との関係について、説明するレポートを作成し、次回提出する。
【第4回】
色の表示(1)色の分類
 事前:各自でオリジナルな色の分類方法を考え、ノートにまとめておく。
 事後:各自の色の分類方法と学んだ分類方法との相違点に注目し、レポートを作成、次回提出する。
【第5回】
色の表示(2)色の三属性
 事前:色の属性とは何か。また他にどのようなものが考えられるか調べ、ノートにまとめておく。
 事後:色相・明度・彩度について、説明するレポートを作成し、次回提出する。
【第6回】
色の表示(3)PCCS(日本色研配色体系)
 事前:「トーン」とは何か、その概念について調べ、ノートにまとめておく。
 事後:「PCCS」を説明するレポートを作成し、次回提出する。
【第7回】
色の表示(4)言葉による色表示(JIS慣用色名とJIS系統色名)
 事前:「色名」(基本色名・固有色名・慣用色名・系統色名)について調べ、ノートにまとめておく。
 事後:上記4つの色名について、それぞれ具体例を挙げて説明するレポートを作成し、次回提出する。
【第8回】
色の表示(5)マンセル表色系
 事前:「マンセル」という人物について調べ、ノートにまとめておく。
 事後:「マンセル表色系」を説明するレポートを作成し、次回提出する。
【第9回】
色彩調和(1)配色の基本的な考え方、色相差による配色
 事前:PCCS の「色相環とトーンの配置図」をもう一度再確認し、覚えておく。
 事後:「色相差による2色配色」7例を作成し、その説明を、次回レポートとして提出する。
【第10回】
色彩調和(2)トーン差による配色
 事前:配布資料「PCCSトーンのイメージ」に再度目を通し、概要を理解しておく。
 事後:「トーン差による2色配色」6例を作成し、次回提出する。
【第11回】
色彩調和(3)自然の秩序と色彩調和
 事前:自然の中(建物の外部)で、ある物の色の見え方をじっくり(30分程度)観察する。
 事後:上記事前学習の観察結果を、「色相の自然連鎖」を考慮に入れながらレポートにし、次回提出する。
【第12回】
色彩調和(4)古今東西の色彩調和論とジャッドの色彩調和論
 事前:代表的な「色彩調和論」を一つ調べ、その内容をノートにまとめておく。
 事後:ジャッドの4つの色彩調和論を色票で制作、それぞれの説明文(200字程度)とともに、次回提出する。
【第13回】
色彩調和(5)色彩調和と配色技法
 事前:配布資料「色彩調和と配色技法」を理解し、その概要をノートにまとめておく。
 事後:2色から4色配色までの指示された6例の配色を作成し、次回提出する。
【第14回】
カラーユニバーサルデザイン
 事前:「ユニバーサルデザイン(UD)」について調べ、ノートにまとめておく。
 事後:「UD」と「色覚の多様性」について、関連性を含めて説明するレポートを作成し、次回提出する。
【第15回】
まとめ
 事前:1~14回の授業を振り返り、理解できなかった点を明らかにしておく。
 事後:1~14回のまとめを作成する。