Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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数値解析法(Numerical Analysis) 飽本 一裕
3年 テキスト授業Ⅰ・Ⅲ 専門科目選択 2単位
【通信・Ⅰ・Ⅲ】 19-1-1821-2004

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

理工学関係の研究開発を本気で進めようとするときに避けて通れないほど大切で便利なツールが数値解析です。
数値解析はITの重要な一分野でもあります。
さらに、例えば、電気電子回路の設計にもしばしば使われます。
一部の情報系企業でも同様です。
具体的には微分方程式とその解法を中心に利用されています。
そのために、まず数値解法における誤差の種類とその原因、微分、積分の意味とそれらの数値解法、微分方程式の差分化や数値解法、内挿法等について学習します。
本科目はディプロマポリシー3に関連します。

2.
授業の到達目標

コンピュータを利用して、微積分の計算や微分方程式をできるだけ正確に迅速に解く技術を学びます。
数値微分や数値積分ができるようになります。
微分方程式を数値的に解けるようになります。
内挿方を理解し、使えるようになります。
数値計算の誤差を評価できるようになります。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法


プロジェクトレポート3件(2割×3)、期末試験(4割)

プロジェクト1:三角関数を数値微分して、理論解と比較し、誤差を評価・考察します。
プロジェクト2:ロジスティック微分方程式の数値解であるロジスティックマップのさまざまな性質を探り、カオスの性質とロジスティック微分方程式の解であるシグモイド関数等を理解します。
プロジェクト3:長方形近似と台形近似で三角関数を積分し、誤差を評価・考察します。

プロジェクトの内容は科目修得試験に色濃く反映されますので、返却されたレポートを熟読して下さい。

4.
教科書・参考書


参考書:
1.川崎晴久著「C&FORTRANによる数値解析の基礎」(共立出版)(講義1~3、10~14)

2.飽本一裕著「今日から使える微分方程式」(講談社)(講義3~9)

参考書2は、プロジェクト1と2に役立ち、プロジェクト3には参考書1が役立ちます。

5.
準備学修の内容・必要な時間

微分積分アレルギーの人には辛い授業になりますから、本授業の予習として、それらをぜひ復習しておいてください。各授業の予習・復習は3時間が目安です。

6.
その他履修上の注意事項

プロジェクト主体の授業ですから再試験は実施しません。

本講義で特に重要なポイントは数値微分と数値積分です。
これらさえ理解すれば、本講義に合格することは比較的簡単でしょう。

卒業間近の学生に成績面で特別配慮することはありませんので、各自日々切磋琢磨して下さい。

7.
授業内容

【第1回】
計算誤差のいろいろ:
   数値計算に誤差はつきものだが、誤差の種類と原因がわかれば恐くない。
【第2回】
計算誤差のいろいろ−その2−:前回の授業の続き
【第3回】
微分とは?
   微分の定義と計算の復習、関数y=f(x)を数値的に微分するとは?
【第4回】
差分とは?
   パソコンで微分を計算するために必要なツール
【第5回】
簡単な微分方程式:
   微分方程式の重要性とその簡単な復習(人口問題を例にして)
【第6回】
ロジスティック方程式とその理論解:単なる指数増加を発展させます。
【第7回】
微分方程式の差分化:
   パソコンで微分方程式を解くには、微分方程式を差分化すればよい。
【第8回】
ロジスティック方程式の差分化:
   人口増を表すロジスティック方程式を差分化すると?
【第9回】
カオスとは?
   カオスの意味と意義と可能性について学ぼう:ロジスティックマップとは?
【第10回】
微分方程式をより正確に解くためのルンゲクッタ法の紹介
【第11回】
内挿法:測定データをうまく利用するために、ルジャンドルの方法を学びます。
【第12回】
数値積分:パソコンで関数y=f(x)の積分を計算するために、長方形近似を学びます。
【第13回】
数値積分とその誤差:長方形近似よりも精度のよい台形近似が理解できるようになります。
【第14回】
コンピュータ内の数値表現とn進法:16ビット、32ビットとは何かを説明します。
【第15回】
コンピュータ内の数値表現2&テス