Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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確率と確率過程(Probability and Stochastic Processes) 渡辺 隆治
3年 後期 専門科目選択 2単位
【情電・後期】 19-1-1825-2015

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

 確率論の一分野である確率過程の基礎的な概念を理解することを目標とする入門レベルのコースです。
 確率の基礎、確率変数、確率変数の特性値、母関数と特性関数、確率過程の概念、ポアソン過程、再生過程、マルコフ連鎖について学習します。理工学のみならず、社会科学、経済学等の領域の確率過程の例題も取り上げます。
 講義と並行して演習を行います。演習では、宿題として出された演習問題の解答の板書による発表が課されます。
 この科目は、ディプロマポリシーDP3に関連する科目です。
本授業は民間企業で研究開発を担当した教員によるものです。授業ではそれらとの関連も説明します。

2.
授業の到達目標

 確率変数とその特性値を取り扱うことができる。
 母関数と特性関数を取り扱うことができる。
 確率過程の概念を理解する。
 ポアソン過程、再生過程、マルコフ連鎖などの確率過程の例を理解する。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

 科目修得試験を8割、演習問題の解答の板書発表を2割の割合で考慮して評価します。再試験では、筆記試験を5割、レポートを5割の割合で考慮して評価します。いずれも、全体の6割以上の得点を合格とします。
 宿題として出された演習問題を自力で解く力を身につけることが科目修得の基準です。
 演習では、演習問題の解説と学生の板書発表に対するフィードバックとして講評が行われます。

4.
教科書・参考書

 教科書 : 伏見正則 『確率と確率過程』(朝倉書店) (ISBN978-4-254-29553-5)
 参考書 : コルモゴロフ,ジュルベンコ,プロホロフ 著; 丸山哲朗,馬場良和 訳
        『コルモゴロフの確率論入門』(森北出版) (ISBN 4-627-09511-2)

5.
準備学修の内容・必要な時間

 復習として、講義で取り上げた重要な用語の定義・用例を確認・理解して下さい。予習として、宿題として出された演習問題の解答を作成して、各回の授業に臨んで下さい。
 平均レベルの学生が講義内容の復習と演習問題の解答に要する時間が、授業時間の2倍程度となるように講義内容と演習問題を準備します。

6.
その他履修上の注意事項

 演習問題については、LMSに掲載されているものを各自印刷して準備して下さい。
 科目修得試験および再試験では、参考資料等の持ち込みを禁止します。 授業で扱った演習問題を中心に出題しますので、それらの復習を十分にして試験に臨んで下さい。
 再試験のレポート課題は、演習問題の計算過程を詳しく記述した解答です。

7.
授業内容

【第1回】
確率の基礎     : 確率空間、確率の性質、条件付き確率、独立性
【第2回】
確率変数       : 確率変数と分布関数、確率関数と確率密度関数
【第3回】
確率変数       : 同時分布、独立性、演習
【第4回】
確率変数の特性値 : 平均値、分散、チェビシェフの不等式、大数の弱法則
【第5回】
母関数と特性関数  : 確率母関数、特性関数、モーメント母関数
【第6回】
母関数と特性関数  : 中心極限定理、演習
【第7回】
確率過程の概念   : 確率過程、ベルヌーイ試行、計数過程
【第8回】
ポアソン過程     : ポアソン過程、非斉時ポアソン過程
【第9回】
再生過程       : 再生方程式、余命分布
【第10回】
再生過程       : 装置の稼働率、演習
【第11回】
マルコフ連鎖     : マルコフ連鎖、推移確率、ランダムウォーク
【第12回】
マルコフ連鎖     : 再帰性、平均到達時間
【第13回】
マルコフ連鎖     : 極限分布と定常分布、銘柄選択
【第14回】
マルコフ連鎖     : 演習
【第15回】
総括、科目修得試験