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授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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生物はいろいろな目的のために種々の生物活性物質を生産します。例えば、微生物のなかには抗生物質をつくるものがあり、人類はこれらを医薬として利用しています。一方、植物は自身でつくる植物ホルモンによってその成長を調節しています。植物ホルモンは、農業などにおいて植物の成長を制御するために用いられており、食料生産や環境保全に関与しています。 この実験では、抗生物質と植物ホルモンの精製と生物活性検定に関する下記の項目について実験を通じて原理や手法を学び、DP2及びDP3に関する知識・技能を修得します。 1.土壌からの放線菌、バクテリア、糸状菌の分離培養。 2.ストレプトマイシン生産菌の培養とストレプトマイシンの精製 3.抗菌活性の測定法 4.植物ホルモン(ジベレリンとブラシノステロイドを対象物質とする)の抽出精製 5.植物ホルモンの生物検定法
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授業の到達目標 |
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学生は、本実験を通じて、抗生物質や植物ホルモンなどの重要な機能を有する生物活性物質の抽出・精製、生物活性検定等などの生物学的、有機化学的手法を身に付け、生物活性物質の単離、精製と機能についてその方法を具体例を挙げて説明できるようになることを目的とする。
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成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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試験は行ないません。2 / 3以上出席することが必須です。成績は、実験期間中に実施するデータ処理演習に関するレポートと各自の実験のレポートで評価し、合計で60点以上を合格とします。演習に関するレポートについては実験期間中に返却し解説します。
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4. |
教科書・参考書 |
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生物有機化学実験テキストを配布します。
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準備学修の内容・必要な時間 |
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実験の概要を把握するために、予備学習としてテキストの次回の範囲をよく読んで実験手順をノートにまとめておいてください。また、機器分析法、有機化学、植物化学、植物生理学、微生物薬品化学、植物分子生物学などに関連する教科書や講義資料を参考にして、専門用語の意味や実験の原理を理解しておくことが望まれます(1.5時間程度)。復習として、実験ノートを整理し(1.5時間程度)、実験操作や結果について疑問があれば次回の実験時間に質問するようにしてください。
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その他履修上の注意事項 |
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特にありません。
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授業内容 |
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【第1回】 | 実験1:土壌からの放線菌の分離・培養 実験2:ストレプトマイシン生産菌の培養とストレプトマイシンの精製 実験3:植物ホルモンの抽出・精製とバイオアッセイ の3つの内容について、8日間で3限から5限の間に行います。
実験1 ・混釈培養による放線菌、バクテリア、糸状菌の分離培養 ・放線菌の純培養 実験3 ・植物ホルモン(ジベレリンとブラシノステロイド)の抽出(溶媒の脱水と減圧濃縮) | 【第2回】 | 実験3 ・ジベレリンのクロマトグラフィーによる精製(シリカゲルカラムによる吸着と溶出) | 【第3回】 | 実験3 ・ブラシノステロイドのクロマトグラフィーによる精製(シリカゲルカラムによる吸着と溶出) | 【第4回】 | 実験1 ・放線菌の観察 実験2 ・検量線による定量 ・生産菌の培養と観察 | 【第5回】 | 実験2 ・イオン交換樹脂による抽出精製 ・ペーパーディスク法による抗菌活性の測定 | 【第6回】 | 実験3 ・植物ホルモンの生物検定法(ジベレリンの短銀坊主伸長試験およびブラシノステロイドのイネ葉身屈曲試験) | 【第7回】 | 実験2 ・ストレプトマイシンの溶出パターンの作製、吸着率と溶出率の算出 | 【第8回】 | 実験3 ・植物ホルモンの生物検定法の結果測定 | 【第9回】 | | 【第10回】 | | 【第11回】 | | 【第12回】 | | 【第13回】 | | 【第14回】 | | 【第15回】 | |
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