Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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地域経済政策学特論(Regional Economic Policy Advanced Course) 加瀬 和俊
1年 後期 専門科目選択 2単位
【専地前・後期】 19-3-1869-4203

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

 若者が就業機会を得るために流出し人口が減少しつつある地域では、住民の高齢化が顕著に進んでいますが、その結果、高齢者には生活しにくい状態になっています。この授業ではそうした地域において高齢者の生活を支えるために、介護保険制度を含めてどのような公的・共同的な仕組みがとられているのかについて学びます。こうした学習を通じて、学生たちはこれらの社会制度の役割とともに、その不十分な点も理解できるようになり、住民のより良い生活のために、制度をどのように改良すべきかを考えるる力を身に着けます。この科目はDP1,2の能力を習得することをめざすものです。

2.
授業の到達目標

・中山間地に位置する人口減少・高齢化地域で深刻化している社会問題の現状について、医療・介護問題、耕作放棄地問題、鳥獣被害、買物難民問題など、具体例に即して理解します。
・人口減少・高齢化地域における労働市場の特性、特に都市部の就業機会に比較した場合の質的・量的な劣勢の現状とその原因について理解します。
・こうした深刻な事態に対処している地元側の種々の努力の様相について、市町村自治体とその職員の奮闘、自治体同士の協力による広域行政の増加、集落営農による放棄地の再耕作地化、行政的支援に支えられた生活サポート制度、政府系金融機関による地域産業への融資などの支援策の意義を理解するとともに、その制約条件や限界についても把握できます。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

 成績評価はレポートで50%、授業への貢献度を含む通常の活躍度で50%とします。

4.
教科書・参考書

 教科書・参考書は指定しません。必要な文書は授業中にプリントとして配布します。

5.
準備学修の内容・必要な時間

 授業の後には誤りを正すためだけではなく、重要な概念の意味を正確に理解するために、ノートを丁寧に読み、書きなおしをしてください。授業中に配られたプリントの文章は授業後に、全文を読むようにして下さい。大学院生としては、授業後に少なくとも2時間は復習をすることが必要です。

6.
その他履修上の注意事項

 人口減少地帯における社会的・経済的問題点については、テレビ番組でもしばしば取り上げられています。それらの問題を具体的に知るために、それらの番組を見ることを勧めます。

7.
授業内容

【第1回】
人口減少地域における社会問題深刻化の諸相
【第2回】
医療過疎問題
【第3回】
介護問題
【第4回】
災害への対応難
【第5回】
買物難民問題
【第6回】
不動産放棄問題
【第7回】
鳥獣被害問題
【第8回】
財政力縮小下での責任重課ー国民健康保険を事例に
【第9回】
世話役機能の低下と地域起こし協力隊等
【第10回】
農山漁村における労働市場の特性①ー正規職・非正規職の構成
【第11回】
農山漁村における労働市場の特性②ー男性・女性のライフコースとの関連
【第12回】
耕作放棄地に対処する集落営農
【第13回】
社会福祉法人の可能性と問題点
【第14回】
投資機会を捉えられるかーA-Fiveの可能性を巡って
【第15回】
まとめの討論