Web Syllabus(講義概要)

「動物生理学（Animal Physiology）」は生命現象を個体の側面から理解する学問です。個体の恒常性（ホメオスタシス）の維持機能として重要な、脳神経系、内分泌系、免疫系の相互の連携からなる生命現象について、最新の総説、原著論文を含めて広く解説します。この講義ではDP1およびDP2に関する知識の習得ならびに総合的思考力の養成を行います。

動物の生命活動は脳がもつ高次機能によって営まれています。また、現在、痴呆や気分障害、発達障害など脳に関わる疾患は大きな社会問題となっています。本講義では、脳科学を中心に、動物の生命活動を、分子・細胞・組織・個体レベルで理解することを到達目標とします。学生は、最新の英語論文を理解し、その内容を記述、また、口頭で説明できる。

講義中の課題プレゼンテーション（およそ70%）ならびに課題レポート（およそ30%）により、総合的に評価します。課題レポートは採点後返却します。

Handbook of Neuroscience for the Behavioral Sciences. Vol1, (ISBN 978-0-470-08356-7), Vol2 (ISBN 978-0-470-08357-4) Edited by Berntson GG and Cacioppo JT (WILEY)
教科書を購入する必要はありません。必要に応じてプリントを配布します。

学部での生化学、細胞生物学、動物生理学、分子生物学の基礎知識、また、修士課程での神経生命理工学の習得を前提に講義します。これらの関連科目について、事前に復習しておいて下さい。講義前に指定した原著論文および下記の各回に示した教科書のページを読み、わからない専門用語をノートにまとめておいて下さい（およそ４時間）。講義後、下記の各回に示した教科書のページを読み、予習時にわからなかった専門用語について、その内容をノートにまとめてください（およそ２時間）。理解できなかった点は教員に質問するなど各自の対応が必要になります。

英語の原著論文や総説を使用しますので、各自辞書を持参してください。

【第１回】

Chapter 2: Developmental Neuroscience 教科書P12〜P31

【第２回】

Chapter 3: Comparative Cognition and Neuroscience 教科書P32〜P55

【第３回】

Chapter 5: Neuropharmacology 教科書P82〜P98

【第４回】

Chapter 6: Neuroendocrinology; Mechanisms by which hormones affect behaviors 教科書P99〜P118

【第５回】

Chapter 7: Neuroimmunology 教科書P119〜P135

【第６回】

Chapter 8: Neuroanatomy/Neuropsychology 教科書P136〜P151

【第７回】

Chapter 21: Cognitive Neuroscience of Thinking 教科書P417〜P430

【第８回】

Chapter 41: Neural Basis of Mental Representations of Motivation, Emotion, and Pleasure 教科書P807〜P828

【第９回】

Chapter 47: Social Cognition 教科書P923〜P939

【第10回】

Chapter 52: Autism、Chapter 53: Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder 教科書P1005〜P1042

【第11回】

Chapter 54: Schizophrenia、Chapter 55: Depression 教科書P1043〜P1089

【第12回】

Chapter 56: The genetics of Anxiety 教科書P1090〜P1109

【第13回】

Chapter 59: Cognitive Neurology 教科書P1152〜P1179

【第14回】

Chapter 60: Genetics and Psychopathology 教科書P1180〜P1199

【第15回】

Chapter 64: Psychological Influences on Neuroendocrine and Immune Outcomes 教科書P1260〜P1279