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授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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この科目は理工系の学生に対して経済学の考え方の基礎を講義するものです。人間社会の進歩は物理的には生産技術の発展によってもたらされますが、技術進歩はそれを受け入れる消費力が新たに生み出されることによって初めて社会的に需要され定着するものですから、新技術が社会的に消化されている仕組みについての理解が不可欠です。この授業は身近な話題を例にとりながら、複雑に見える経済現象を単純な諸要素に還元して説明し、現実の諸現象を直感的に判断できるようにします。そのため授業は講義だけではなく、ディスカッション、プレゼンテーションを多用します。この授業は学修目標3の能力を身に着けることをめざしています。
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2. |
授業の到達目標 |
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・市場経済と資本主義経済の相違と関連が理解できる。 ・国民経済の規模を拡大させる金融の機能について、そのプラス面とともにバブルの発生をもたらすなどのマイナス面についても知り、制御しつつそれを利用する方法を知ることができる。 ・国家の経済政策の効果と限界について理解する。 ・物の需給とは異なる労働力の需給の性格について知り、失業問題とその対策について考えることができる。 ・国の経済政策を制約する要因としての国際経済の規定力について理解する。
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3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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定期試験60%、小テスト20%、発表・レポート20%を目安として評価します。試験・レポートの後には、フィードバックとして、設問・出題の意図、模範解答、誤答の例と誤答とされる理由などについて講評します。
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4. |
教科書・参考書 |
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教科書は使用しません。参考書は入手しやすいもの・わかりやすいものを「ぜひ読むべきもの」、「読むことが望ましもの」など重要度がわかるように指示します。
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5. |
準備学修の内容・必要な時間 |
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授業では要旨を記したプリントを配布しますので、復習として必ずその全文を読み返すとともに、使用されているいくつかのキーワードの正確な意味、他の概念との関連、用法などをノートに記載し、正確に活用できるようにします。毎回の授業の最後には、翌週の授業テーマ、今回と次回の授業の内容的な関連などについて解説しますので、予習としてそのテーマに関連して想定されるキーワードとその簡単な定義などをノートに整理しておきます。
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その他履修上の注意事項 |
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社会人となれば新聞の経済記事の概要が理解できることが必要ですから、ニュースで接した経済記事に関してわからない点は用語辞典やWEB情報で調べる習慣をつけます。
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授業内容 |
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【第1回】 | 経済活動の基礎ー物々交換と貨幣の発生 | 【第2回】 | 貨幣の機能強化ー蓄蔵手段と財産の発生 | 【第3回】 | 商品生産から資本主義的生産へ | 【第4回】 | 信用=金融と銀行券・政府紙幣 | 【第5回】 | 金融の機能 | 【第6回】 | 有限責任と株式会社の意義 | 【第7回】 | 金融活用による利点ー住宅ローンを事例に | 【第8回】 | 金融活用による不安定化ーバブル経済の根拠と帰結 | 【第9回】 | 財政と金融の関係ー中央銀行の独立性 | 【第10回】 | 雇用労働者ー労働力の商品化 | 【第11回】 | 労働力需給と失業問題 | 【第12回】 | 資本主義経済と国家の役割 | 【第13回】 | 国際関係ー貿易の意義 | 【第14回】 | 国際関係ー為替相場の理論 | 【第15回】 | まとめとテスト |
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