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授業の概要(ねらい) |
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国民経済計算を初めとして、物価指数の測定方法、経済成長の決定要因、貯蓄・投資の関係など、マクロ経済学の基礎的なトピックスを主に学習し、マクロ経済学的な考え方を養う。 まずはじめに国内総生産(GDP)を学ぶ。名目実質GDP、実質GDPの計算方法をそれぞれ学んだ上で、GDP測定による経済的豊かさの計測の意義と限界を議論する。さらに生計費の測定方法を学び、消費者物価指数、インフレ率の計算方法を学ぶ。 次に、長期の経済成長のメカニズムを学習する。まず世界経済の成長率格差の存在を概観した上で、長期的な一人当たり所得の増大に影響する要因として、物的資本・人的資本・技術進歩の役割を考察する。さらに、近年の東アジアにおける経済成長の原動力として注目されている国際的な資本移動の役割や、貿易・投資の自由化政策の役割を考察する。 最後に、貯蓄・投資と金融システムの関係を議論する。まず金融市場の役割を概説し、株式、債券、投資信託などの役割と特徴を学習する。次に、国民所得勘定における貯蓄と投資の関係を、閉鎖経済を仮定した上で考察する。その上で、金融市場を簡単化した需要・供給分析モデルを構築し、政府の金融政策が貯蓄と投資にどのような影響を与えるかを明らかにする。最後に、近年の日本の財政問題と、現在取り組まれている財政構造改革を概説する。
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2. |
授業の到達目標 |
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マクロ経済学の基礎レベルを習得することを目標とする。特に、国民経済計算の学習、長期的な経済成長の決定要因、貯蓄・投資と金融システムの関係などについて、マクロ経済学の基礎的なレベルの内容を習得することを目標とする。
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成績評価の方法および基準 |
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定期内試験、および、授業中の小テスト(4回を予定)から評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト:グレゴリー・マンキュー『マンキュー経済学II マクロ編』 第3版 東洋経済新報社、2014年。
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準備学修の内容 |
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講義ノートを読んで予習しておくことが望ましい。
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その他履修上の注意事項 |
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内容は必ずしも平易ではないが毎回出席していれば十分理解できるものである。現実問題に関心があり、かつそれを考えるために経済学の基礎をしっかり学ぼうという意欲を持った学生の参加を望む。成績評価は厳しいので注意すること。 第2回目の授業で講義ノートを全て配布する。それ以降は配布を予定しないので注意すること。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 授業ガイダンス | 【第2回】 | 第5章 国民所得の測定(計3回) 経済の所得と支出 国内総生産の測定 | 【第3回】 | GDPの構成要素 | 【第4回】 | 実質GDPと名目GDP GDPと経済的福祉 | 【第5回】 | 第6章 生計費の測定 消費者物価指数 | 【第6回】 | インフレーションの諸効果に対する経済 変数の補正 | 【第7回】 | 第7章 生産と成長 世界の国々の経済成長 生産性:その役割と決定要因 | 【第8回】 | 経済成長と公共政策 | 【第9回】 | 第8章 貯蓄・投資と金融システム 経済における金融機関と市場 国民所得勘定における貯蓄と投資 | 【第10回】 | 貸付資金市場 | 【第11回】 | 貸付資金市場(続き) | 【第12回】 | 日本の財政とマクロ経済 | 【第13回】 | 日本の財政とマクロ経済(続き) | 【第14回】 | 復習① | 【第15回】 | 復習② |
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