Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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入門マクロ経済学 II 堀内 英次
選択必修  2単位
【経済】 17-1-1110-0480-08

1. 授業の概要(ねらい)

 入門マクロ経済学Iの続きとして、入門レベルのマクロ経済理論を学習する。トピックスとしては、失業率とその発生メカニズム、貨幣システム、長期的な物価水準の決定メカニズム、開放マクロ経済モデルを扱う。
 まず、日本の失業率の計算方法について学び、諸外国の例と比較する。さらに、失業発生の諸要因についてそれぞれ分析する。
 次に、貨幣システムについて学ぶ。まず貨幣の定義とその役割を学び、現在の日本における貨幣として、現金通貨、M1、M2+CD等の概念を学ぶ。次に貨幣供給を担う中央銀行の役割を学び、最後に近年の日本の金融政策の推移を概説する。
 長期的な物価水準決定のメカニズムでは、主にインフレの発生メカニズムに焦点を当て、その決定要因について、貨幣市場モデルを用いて分析する。さらに、インフレがどのような理由で経済的損失をもたらすのかを、理論的に考察する。
 最後に、マクロ経済モデルを開放経済モデルに拡張する。まず、開放経済における貯蓄投資と輸出入、対外純投資の関係を学習し、名目為替レート・実質為替レートについて学ぶ。次に、開放マクロ経済モデルを構築する。例として政府の財政政策と貿易政策を取り上げ、それらの政策が海外市場との相互作用を通じてどのようなマクロ的影響を最終的に国内もたらすかを、開放経済モデルを用いて考察する。

2.
授業の到達目標

 マクロ経済学の基礎レベルを習得することを目標とする。特に、失業の発生メカニズム、貨幣の役割と中央銀行の役割、インフレの発生メカニズムとその影響、開放経済モデルによるマクロ経済政策分析を中心に学習し、マクロ経済学の基礎的なレベルの内容を習得することを目標とする。

3.
成績評価の方法および基準

 定期内試験、および、授業中の小テスト(4回を予定)から評価する。

4.
教科書・参考書

 テキスト:グレゴリー・マンキュー『マンキュー経済学II マクロ編』 第3版 東洋経済新報社、2014年。

5.
準備学修の内容

 講義ノートを読んで予習しておくことが望ましい。

6.
その他履修上の注意事項

 内容は必ずしも平易ではないが毎回出席していれば十分理解できるものである。現実問題に関心があり、かつそれを考えるために経済学の基礎をしっかり学ぼうという意欲を持った学生の参加を望む。成績評価は厳しいので注意すること。
 第2回目の授業で講義ノートを全て配布する。それ以降は配布を予定しないので注意すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 授業ガイダンス
【第2回】
 第9章 自然失業率
 失業の識別
【第3回】
 失業に影響する諸要素
【第4回】
 第10章 貨幣システム
 貨幣の意味
 中央銀行:連邦準備制度
【第5回】
 銀行と貨幣供給
【第6回】
 第11章 インフレーション:その原因とコスト
 インフレーションの原因
【第7回】
 インフレーションのコスト
【第8回】
 補論:日本におけるデフレと政策対応について
【第9回】
 第12章 開放マクロ経済学:基本概念
 財と資本の国際フロー
【第10回】
 国際取引にとっての価格:実質為替相場と名目為替相場
 為替相場決定の最初の理論:購買力平価
【第11回】
 第13章 開放経済のマクロ経済理論
 貸付資金と外国為替の需要と供給
【第12回】
 開放経済における均衡
【第13回】
 政府や出来事は開放経済にどのような影響を及ぼすか
【第14回】
 復習①
【第15回】
 復習②