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授業の概要(ねらい) |
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卒業後、どのような進路を選ぼうとも、ある問題を調査し、その結果を報告書として提出し、または人前でプレゼンテーションをする機会に遭遇する。本演習では、最終的に参加者が自分の関心のあるテーマを選び、文献調査や資料収集を通して、自らの問題関心を深める能力を構築することを目標としている。諸問題に関して理解を深めながら、調査能力、分析能力、結果の整理・発表の能力を身につけていくことがこの演習の目的である。以上の能力を身につけるために、本演習では、文献の輪読や資料の読解を行う。担当教員は、財政学、とくに財政と福祉の関係を研究している。そのため、基本的に、日本財政や地方財政に関する問題を取り上げる予定だが、参加者の問題関心に沿って柔軟に演習をすすめていく予定である。 秋学期は、個人発表などを通じて、資料の作成、プレゼン、レポートの書き方等を学んでもらう。
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2. |
授業の到達目標 |
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(1)他の人と協力して調査研究を行い、その成果を報告できる。 (2)公的な統計・資料を収集し、特定のテーマについて調査することができる。 (3)規定の様式に従ったレポートを執筆し、その内容を報告できる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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基本的に、演習への参加状況や発表などを踏まえ、総合的に評価する。また、最終報告におけるプレゼン、それを元にしたレポートの水準も踏まえて、成績を評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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参加者の希望などを考慮して決定する。 レポート執筆、レジュメ作成の参考になる文献として、以下の文献を挙げておく。 (1)山口裕之『コピペと言われないレポートの書き方教室:3つのステップ』新曜社。 (2)戸田山和久『新版 論文の教室―レポートから卒論まで』NHK出版。 (3)伊藤修一郎『政策リサーチ入門―仮説検証による問題解決の技法』東京大学出版会。 文献(3)は指定図書コーナーに揃えられている。 財政問題を調べる際に、財政史の通史を概観するのも有益である。以下の文献は指定図書コーナーに揃えられている。 (4)井手英策編『日本財政の現代史Ⅰ 土建国家の時代 一九六〇~八五年』有斐閣。 (5)諸富徹編編『日本財政の現代史Ⅱ バブルとその崩壊 一九八六~二〇〇〇年』有斐閣。 (6)小西砂千夫編『日本財政の現代史Ⅲ 構造改革とその行き詰まり 二〇〇一年~』有斐閣。 社会保障、労働、格差問題といったトピックについては文献が無数にある。ミネルヴァ出版の『福祉+α』シリーズは初学者にも勧められる。 (7)橘木俊詔編『格差社会』ミネルヴァ書房。 (8)埋橋孝文編『生活保護』ミネルヴァ書房。 (9)濱口桂一郎編『福祉と労働・雇用』ミネルヴァ書房。 *以上の文献は指定図書コーナーにある。
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準備学修の内容 |
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事前に文献の指定箇所を読解することや自分の報告準備を入念にすることを心がけること。
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その他履修上の注意事項 |
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人前で発表することや、文章執筆を過度に怖がる必要はありません。心配いりません、必ずできるようになります。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 秋学期では、春学期同様に①発表の練習、②文献の輪読を行っていく。細かな内容は参加者の意向を踏まえつつ、決定する。 第1回目に、秋学期の演習内容に関する相談、発表順番の決定等をする。 | 【第2回】 | レポート完成に必要な要素について復習 | 【第3回】 | 先行研究の調査 | 【第4回】 | 参加者のテーマ決定に関する報告 | 【第5回】 | 先行研究の報告と討論(1):先行研究から問題の立て方を学ぶ | 【第6回】 | 先行研究の報告と討論(2):先行研究からデータと資料の扱い方を学ぶ | 【第7回】 | 先行研究の報告と討論(3):先行研究から論文の構造を学ぶ | 【第8回】 | 課題1:報告のテーマ、分析手法、使用データ・資料に関する発表 | 【第9回】 | 課題2:発表構造に関する報告 | 【第10回】 | 中間報告 | 【第11回】 | 日本の財政問題に関する討論 *日本の財政問題に関する文献を参加者で読んだ上で、関連する論点について皆で討論をする。扱う文献については参加者の関心などを踏まえて決定する。 | 【第12回】 | 日本の地方財政問題に関する討論 *日本の地方財政問題に関する文献を参加者で読んだ上で、関連する論点について皆で討論をする。扱う文献については参加者の関心などを踏まえて決定する。 | 【第13回】 | 最終報告の準備 | 【第14回】 | 最終報告(1) | 【第15回】 | 最終報告と今学期の復習と反省 |
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