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授業の概要(ねらい) |
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ミクロ経済学は、ものをつくり(生産)、自分がつくったものを他の人のものとやりとりし(交換)、ものをつかう・楽しむ(消費)という世の中における、私たちの幸せについて考える学問である。生産と消費は、ひとりでも行えるが、交換には必ず相手が必要である。日常生活で、私たちが頻繁に行っている交換は、ものとお金をやりとりするもの(売買)であるという性質上、ミクロ経済学の主な対象は売買であるといってよい。しかし、「経済学とは、お金もうけだけを考える学問だ」と思うのは誤りである。私たちは消費することではじめて幸せを感じる。また、消費するものは誰かが生産しなければならない。したがって、生産・交換・消費のプロセスすべてを視野に入れる必要がある。本科目では、売買の当事者が自らの幸せを第一に考えるときの行動の傾向を直観的・経験的に理解して、さまざまなものの価格と取引量の変化を、まったく同じ原理で説明できることを学ぶ。
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2. |
授業の到達目標 |
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身のまわりでおこっている事象をミクロ経済学の専門用語にあてはめて考えられる。 ・完全競争市場において、なぜ、市場参加者が価格受容者になるのかを、仮定を組み合わせて説明できる ・専門用語の「需要」と「需要量」、「供給」と「供給量」を、それぞれ混同せずに、適切につかいわけられる ・現実の経済現象における様々な財・サービスの価格と取引量の変化を、需要曲線と供給曲線を用いて説明できる
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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ほぼ毎回行う小テスト(25パーセント)と期末試験(75パーセント)の結果で評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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特に指定しない。タイトルが『(入門)ミクロ経済学』などとなっている本のうち、「需要と供給」という用語が見出し・本文に登場する部分は参考になるかもしれない。たとえば、伊藤元重(2015)、『入門経済学』第4版、日本評論社ならば、pp.17-38、N・グレゴリー・マンキュー(2013)、『マンキュー経済学Ⅰミクロ編』第3版、東洋経済新報社ならば、pp. 99-133が対応している。
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5. |
準備学修の内容 |
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復習、特に問題演習は重要である。ノートや参考書を読むだけで、例題・問題は解かない、という勉強をする人がいるが、これではわかったことにならない。例題・問題は解き方を読むだけでなく、自分でペンをもってノートに解きなおすべきである。問題を解けば自然にわかってくることは多い。わかっていることとわからないことを明確に区別して、理解できていない解説を紙に何回でも再現せよ。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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想定している受講生は、ミクロ経済学にはまったく興味がないものの、クラス指定の経済学部入門科目のうち、時間割の都合で本科目を履修せざるを得なかった1年生、および、過去に入門ミクロ経済学Ⅰを履修したことはあるものの、(勉強不足などが原因で)よくわからないまま単位修得にはいたっていない2年生以上である。そういう人が途中でくじけないように、他の教員の担当する入門ミクロ経済学Ⅰ(Ⅱ)と比較して、本クラスでは内容を大幅に削減している。削った部分は、「今すぐに必要になるわけではないけれど、今後勉強を深めていくと、そのうちつかわざるを得なくなるから、今のうちに教えておくよ」といった性質のものである。これだけは削るわけにはいかない、というものは残してある。 ミクロ経済学を学ぶことで、ふつうに生活しているだけでは思いつかないものの見方や考え方ができるようになる。受講生の中には、本クラスの履修が、ミクロ経済学を学ぶ最後の機会になる人もいるだろう。これでミクロ経済学の勉強を終える人であっても、ここで学んだミクロ経済学の知識を、今後の人生を豊かなものにする基礎としてほしい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション | 【第2回】 | 経済学の基本的な諸概念① 価格とは何か トレードオフと機会費用 | 【第3回】 | 経済学の基本的な諸概念② 合理性とインセンティブ | 【第4回】 | 需要曲線① 価格受容者の想定 | 【第5回】 | 需要曲線② 需要の法則 | 【第6回】 | 需要曲線③ 「需要」と「需要量」 | 【第7回】 | 需要曲線④ 需要曲線のシフト | 【第8回】 | 供給曲線① 価格受容者の想定と供給 | 【第9回】 | 供給曲線② 供給の法則 「供給」と「供給量」 | 【第10回】 | 供給曲線③ 供給曲線のシフト | 【第11回】 | 均衡点① 需要と供給のグラフ | 【第12回】 | 均衡点② 調整過程 | 【第13回】 | 均衡点③ 均衡点の変化 | 【第14回】 | 均衡点④ 需要と供給で解く経済問題 | 【第15回】 | 均衡点⑤ 均衡点の変化に関する問題演習 |
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