Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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世界の情勢(ヨーロッパ) II ミシュラン フランク
【Ⅳ】  2単位
【Ⅳ 社会と経済のしくみを学ぶ】 17-1-1110-4656-04

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業では「欧州連合の中の仏独関係」を取り上げます。フランスとドイツはヨーロッパの強国で、西洋文明にとって非常に重要な役割を果たして来ましたが、1870年から1945年の間に3回ほど争った歴史があります。しかし、第二次世界大戦後に、両国は様々な努力をして信頼関係を築き、欧州連合(EU)構築に協力して来ました。
 21世紀になり、西と東に分裂していたドイツの併合、フランスの経済的衰弱、東欧諸国の欧州連合(EU)への加盟等によって、ドイツがフランスの国力を上回ることで、仏独の間に協力が難しくなりました。それが現在の欧州連合(EU)の危機要因だと言っても過言ではありません。
 この授業では、欧州連合(EU)の歴史や従来の動向を考えた上で、今後の課題を分析します。進み方は、講義だけでなく、映像等を用い、様々な方法でヨーロッパの特殊性、長所や短所を考察してみます。また、現在の不安定な世界の中で、多くの事件が起こると考えらるため、専門家にゲスト・スピーカーとして話しいただき、新しい情報に沿って柔軟に授業を進めます。

2.
授業の到達目標

 ①欧州連合(EU)の特徴を理解する。
 ②ヨーロッパの歴史や現在に関する知識を学び、21世紀の新たな動向を考える。
 ③日本をヨーロッパと比較しながら、日本の展望を考察する。

3.
成績評価の方法および基準

 平常点(出席、授業中の貢献度を含む)40%、レポート 60%

4.
教科書・参考書

 テキストは使用しない。
 参考文献:
  宇京 頼三『仏独関係千年紀: ヨーロッパ建設への道』(法政大学出版局、2014年)。
  ロベール・フランク『欧州統合史のダイナミズム―フランスとパートナー国』(日本経済評論社、2003年)。
  遠藤 乾『欧州複合危機ー苦悶するEU、揺れる世界ー』(中央公論新社、2016)。

5.
準備学修の内容

 毎週のテーマについて予めの準備学習を参考文献等を読んで行う。ヨーロッパに関するニュースを毎週読む。毎回授業の復習をする。

6.
その他履修上の注意事項

 毎週出席してください。また、春期に「世界の情勢(ヨーロッパ)I」を履修していただきたいと思います。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 講義の紹介
 仏独関係の重要さについて
【第2回】
 フランスとドイツが決別した日
【第3回】
 神聖ローマ帝国とフランス王国
【第4回】
 三十年戦争
【第5回】
 フランス革命、ナポレオンとドイツ民族主義台頭
【第6回】
 日仏の長い競争
【第7回】
 第二次世界大戦の傷を乗り越える
【第8回】
 仏英同盟から仏独同盟へ
【第9回】
 仏独協力の黄金の時代
【第10回】
 東ドイツ合併とユーロ導入
【第11回】
 ドイツ覇権の恐れ
【第12回】
 平衡を失った関係
【第13回】
 違う方向へ向かう
【第14回】
 テロ、移民、ポピュリズム
【第15回】
 まとめ