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授業の概要(ねらい) |
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社会保障を事前に知っておくことは社会に出る上でとても重要です。給与から引かれる社会保障費は何に使われているのか、勤める会社にはどんな福利厚生制度があるのかをしっかり理解しておく必要があります。 社会保障とは私たちの生活リスクを国が支える制度ですが、その仕組みは、①社会保険、②生活保護、③社会福祉の3つから構成されており、給付内容は、①福祉サービス、②医療サービス、③金銭の3つに分かれます。 本授業は、社会保障を「3つの仕組み」と「3つの給付」から立体的にとらえることにより、その全体像を理解します。わが国の社会保障の7割強は社会保険(医療保険、年金、介護保険、雇用保険、労働者災害補償保険)が占めていますが、少子高齢化の進展により、社会保険の重要性は今後さらに高まると予想されています。 「社会保険論Ⅱ」では、まず年金を取り上げ、年金制度の基本的仕組み、世代間の助け合い、および個人積立貯蓄との相違を明らかにします。次に雇用保険、労働者災害補償保険、および介護保険の理念・現状・課題について理解します。最後に社会保障の歴史と構造(英国、ドイツ、米国、日本)について学びます。
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2. |
授業の到達目標 |
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わが国の年金、雇用保険、労働者災害補償保険、および介護保険の仕組みと特色、および社会保障の歴史と構造を理解し、社会人としての基礎力をつけることを目標とします。
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成績評価の方法および基準 |
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授業への貢献度(30%)、定期試験(70%)を総合的に評価します。
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教科書・参考書 |
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教科書は椋野美智子・田中耕太郎『はじめての社会保障〔第14版〕』有斐閣(2017)を使用します。
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準備学修の内容 |
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指定したテキストの第3章~第8章を事前に読んでおいて下さい。また、授業で使うパワーポイント資料の「エッセンシャル版」をWeb File Serverに掲載しますので予習・復習に役立てて下さい。
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その他履修上の注意事項 |
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社会保険の知識は企業の人事給与制度・福利厚生制度を理解する上で重要であり、また、社会保険労務士や社会福祉士を目指している学生にとっては必須です。目的意識や問題意識を持った学生諸君の受講を期待しています。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス(全体構成の説明) | 【第2回】 | 年金(1)所得を保障する仕組み、被保険者と保険料 | 【第3回】 | 年金(2)老齢年金、財政方式 | 【第4回】 | 年金(3)障害年金、遺族年金、年金の業務体制 | 【第5回】 | 年金(4)企業年金の機能、確定給付年金と厚生年金基金 | 【第6回】 | 年金(5)確定拠出年金、国民年金基金 | 【第7回】 | 特別講義(外部講師) | 【第8回】 | 雇用保険(1)失業時の所得を保障する仕組み | 【第9回】 | 雇用保険(2)整理解雇の4要件、希望退職制度と早期退職制度の違い | 【第10回】 | 労働者災害補償保険(1)法定労働時間、過労死の認定 | 【第11回】 | 労働者災害補償保険(2)業務災害と通勤災害 | 【第12回】 | 介護保険 | 【第13回】 | 社会保障の歴史(英国、ドイツ、米国、日本) | 【第14回】 | 社会保障の機能と財政、社会保障の課題と展望 | 【第15回】 | 総まとめ(論点の整理と総括) |
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