Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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世界の情勢(アメリカ) II 西田 令一
【Ⅳ】  2単位
【Ⅳ 社会と経済のしくみを学ぶ】 17-1-1120-3873-08

1. 授業の概要(ねらい)

 トランプ政権は、大統領選挙中のスローガンの1つに据えた「米国第一主義」を前面に押し出して、経済政策面で保護貿易主義的傾向を、外交・安全保障政策面では孤立主義的傾向を強めています。
 秋期の授業では、新政権下での米国の内政、社会状況から、対外経済政策、外交・安保政策へと軸足を移して、「トランプのアメリカ」って何だ、どこへ行くのか、を見ていき考えていきます。
 アメリカは新興諸国、とりわけ中国の台頭とともに、相対的に力を落としてきたとはいえ、今も唯一の超大国であることに変わりはありません。政策の大転換を掲げる大統領であれば、その一挙手一投足はその分、大きく国際情勢を左右します。
 中でも、貿易協定の再交渉・離脱や製造業の国内移転政策が、世界経済にどんな変化をもたらすのか、米国と中国やロシア、欧州との関係がどうなるのかが注目されるところです。もちろん、日米関係への影響も劣らず重視して授業を進めます。

2.
授業の到達目標

 春期に引き続き、アメリカの政治、外交、経済、社会について関心を抱き、基礎的な知識を身につけること、その結果として、米国を見る目を持てるようになることを目標とします。授業で蓄積したものが、大学で他の科目を学習する際も、卒業し実社会に出てからも役立つようになることを目指す点も変わりません。

3.
成績評価の方法および基準

 春期と同様、最終回の授業内に基礎知識と理解度を試すテストを実施し、その出来具合に最大の比重を置き、授業への参加度も加味して評価します。テストは、選択問題と論述問題の2本立てで、教材などの持ち込みは認めません。

4.
教科書・参考書

 秋期でも、プリントした教材を毎回、用意します。「アメリカ」に関して大学で行う授業ですから、教材の資料部分には英語を使用しますが、必ず日本語の対訳を施します。春期と同じく、動画も毎回、使用して、取り上げるテーマを視聴覚的に理解できるように工夫します。

5.
準備学修の内容

 トランプ政権の注目度は、良きにつけ悪しきにつけ、歴代米政権のそれを上回っていて、関連のニュースはかなり増えています。秋期でも、新聞、テレビ、インターネットなどで伝えられるその動きに、できるだけ日ごろから目を向けるようにしておいてください。

6.
その他履修上の注意事項

 特定の教科書があって、それに沿っての授業ではなく、生の動きに合わせた授業が多くなるのは、秋期も同じです。講義することがほぼすべてとなりますので、積極的に参加する姿勢が求められます。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション(授業の進め方と目標、成績評価の方法、授業への準備、心構えなどを説明)
【第2回】
 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方と問題点について学ぶ。
【第3回】
 トランプ政権の環太平洋経済連携協定(TPP)離脱について学ぶ。
【第4回】
 戦後米国が進めてきた自由貿易主義、自由市場主義について学ぶ。
【第5回】
 保護主義への転換と、インフラ投資の雇用創出効果について学ぶ。
【第6回】
 メキシコとの間に壁を築けるか、費用はどうするかについて学ぶ。
【第7回】
 ホワイトハウスと各米情報機関との間の微妙な関係について学ぶ。
【第8回】
 トランプ大統領の米軍最高司令官ぶりと、その評価について学ぶ
【第9回】
 トランプ政権によるイスラム教過激テロ組織掃討戦について学ぶ。
【第10回】
 トランプ政権下でのプーチン・ロシア政権との関係について学ぶ。
【第11回】
 中国の南シナ海進出に対するトランプ氏の阻止行動について学ぶ。
【第12回】
 貿易・安保摩擦などトランプ政権下の米中関係全般について学ぶ。
【第13回】
 トランプ政権下での米欧同盟関係の変化とその影響について学ぶ。
【第14回】
 トランプ主義に伴う日米間の経済、同盟関係の変化について学ぶ。
【第15回】
 秋期授業のおさらいと授業内テスト