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授業の概要(ねらい) |
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第一に、イノベーションとは何かを、複雑な社会経済システムの成長の仕組みとして、前期に続きその本質を説明します。特に、グローバルリスクの問題解決というイノベーションの新たな使命について理解を深めます。 第二に、世界の歴史に注目し、人間、組織、国家のそれぞれのレベルで、大きな変革が、なぜ、どのように起こり、どうなったか、について知識を深めます。また、学習の時間軸を人類の一万3千年の歴史から、直近では、日本の近代化150年、戦後70年等異なる観点でみて、上記の学習を行います。 第三に、後期においては、イノベーション論で学習した知識を総合して、社会経済の問題解決として変革が必要な領域と、それを経営する技術を学習していきます。 尚、「金融のイノベーション」「社会経済組織のイノベーション」の領域は、後期に講義をします。(知識・情報、エネルギー、医療・バイオ、自動車各分野は前期で講義)
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2. |
授業の到達目標 |
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イノベーションとは何か、その本質的な仕組みの説明し、映像記録視聴及び事例学習するので、興味ある領域について具体的に理解し、説明できるようになること。 自分で取り上げた分野のイノベーションにつき、過去の歴史を分析し、その理解をまとめ、説明できるようになること。 これらの知識を持って、技術革新とその導入による功罪の側面をも理解し、問題解決のためのイノベーションにつながる事業創出を行う考え方を理解すること。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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授業で提示する課題に対するレポートの提出結果及び最終レポートによる試験(40%)。授業での発表・ディスカッションへの積極的な参加と貢献(30%)。出席等授業態度にみられるdiscipline(訳注:決められたことをそれが辛かろうが妥協せずに実行する強い姿勢・自制心・自己鍛錬)(30%)。これらを総合して評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド著、草思社文庫) 『イノベーションの世紀』シリーズ(一橋大学イノベーション研究センター、ビデオ) 以下は参考書: 『第4次産業革命』(クラウス・シュワブ著、日本経済新聞出版社)及び世界経済フォーラム関連文献及びネット資料 『世界を変える100の技術』(日本経剤新聞社編、日経BP社) 『化学の歴史』(アイザック・アシモフ著、ちくま学芸文庫) 『原子爆弾の誕㊤㊦』(リチャード・ローズ著、啓学出版) 『イノベーション・マネージメント入門』(一橋大学イノベーション研究センター編) 『イノベーションのジレンマ』、『イノベーションへの解』、『イノベーションの最終解』(クレイトン.M.クリステンセンの著作物) 『バランスシートで読み解く世界経済史』(ジェーン・グリーソン・ホワイト著、日経BP社)
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5. |
準備学修の内容 |
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『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド著)は授業のディスカッションで使用しますので、購読して下さい。人類の1万3千年のイノベーションの生成のメカニズムに関する興味深い著作物です。
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その他履修上の注意事項 |
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日本経済新聞を読み興味ある記事を見つけるようにしてください。文科系・理科系の意識にとらわれることなく、科学・技術にも大いに興味を持って、学習願います。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション 総論 複雑な社会経済システムの扱い方とイノベーション | 【第2回】 | イノベーションとはなにか / いろいろな時間軸による歴史分析 / 日本の戦前・戦後150年の歴史総括 | 【第3回】 | エレクトリックマネー / その発明と革新 金融市場の興隆 / 金融技術のイノベーションと課題と将来 (1) | 【第4回】 | 現場から 外部招聘その1:金融のイノベーション | 【第5回】 | 金融市場の興隆 / 金融技術のイノベーションと課題と将来 (2) | 【第6回】 | イノベーションと組織運営(会社編) (1) | 【第7回】 | イノベーションと組織運営(産業編) (2) | 【第8回】 | 現場から 外部招聘その2:創業者精神とリアリティ | 【第9回】 | イノベーションと組織運営(国家と人) (3) | 【第10回】 | イノベーションの歴史と課題(文明編) | 【第11回】 | イノベーションと歴史と課題(経済発展編) | 【第12回】 | 現場から 外部招聘その3:人間とイノベーション(脳科学の視点から) | 【第13回】 | イノベーションと歴史と課題(南北問題) | 【第14回】 | 日本の産業の課題とイノベーション | 【第15回】 | イノベーション論 (まとめ) |
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