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授業の概要(ねらい) |
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第一次大戦後の激動の20世紀を説明する。ヨーロッパを主戦地として戦われた第一次大戦の皮肉な結果、非ヨーロッパ世界のアメリカ経済が世界経済の主導国として台頭した。ヨーロッパ経済は世界経済の基軸的地位から滑り落ち、一次産品国は過剰問題に苦吟する。ドル資金の供給が世界経済を下支えするが、株式ブームの過熱がドル資金の逆流を引き起こして世界経済を収縮させる。その結果が世界恐慌である。経済が劇的に縮小したドイツではこの最中ナチス・ドイツが台頭し、1930年代末覇権的秩序にもとづくヨーロッパ統合を推し進めていった。第二次大戦後世界経済は異常なドル不足に逢着し、とくにヨーロッパ経済の戦後復興の遅延は冷戦体制下での深刻な問題であった。そこでマーシャル・プランが実施されて戦後復興から高成長軌道に乗る。その過程でIMF体制が整ってくるが、ドル不安が顕在化する。高成長は石油危機により終焉を迎える。マイクロエレクトロニクス技術革新は事態を打開させるが、格差問題が生まれる。
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2. |
授業の到達目標 |
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1920年代末の世界恐慌の発生、1930年代のブロック経済の出現と第二次大戦の勃発、ナチス・ドイツの覇権的統合、第二次大戦後のマーシャル・プランによる戦後復興と高成長、高成長の反転としての石油危機、IMF体制の崩壊、マイクロエレクトロニクス技術革新の登場と格差問題の顕在化、情報資本主義転換のなかでのアメリカ経済の再生といった激動の20世紀を理解してもらう。
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成績評価の方法および基準 |
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授業への参加度と試験による評価。
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4. |
教科書・参考書 |
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テキストは、古内博行『現代ドイツ経済の歴史』東京大学出版会、2007年を用いる。この点については第1回目に説明します。参考文献は講義のなかで適宜紹介する。
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5. |
準備学修の内容 |
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講義では毎回レジュメを配布します。講義のなかで疑問と思うことやレジュメないしテキスト等で自らに突き刺さる章句については自分で調べてください。調べることが探究事始です。学問の裾野はその分拡がります。
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その他履修上の注意事項 |
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学問を実用性の観点からみれば、経済史は迂遠な授業科目ですが、歴史的展望に立ってわれわれひとりひとりが生きる資本主義社会を考えないと物事のリアルな認識が生まれないことに留意してください。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション。講義プランを提示すると同時に講義概要を配布して説明をおこなう。 | 【第2回】 | アメリカ経済の主導国としての台頭 | 【第3回】 | ヨーロッパ経済の停滞と縮小 | 【第4回】 | 一次産品国と農業問題 | 【第5回】 | 世界恐慌の発生とそのメカニズム | 【第6回】 | 世界恐慌下のナチス・ドイツの登場 | 【第7回】 | ナチス経済の発展と深刻な隘路 | 【第8回】 | ナチス・ドイツの覇権的統合の実現 | 【第9回】 | マーシャル・プランの実施と戦後復興 | 【第10回】 | ドル不安とIMF体制始動のパラドックス | 【第11回】 | 高成長の反転としての石油危機 | 【第12回】 | IMF体制の崩壊・石油危機 | 【第13回】 | スタグフレーションの罠とヨーロッパ市場統合 | 【第14回】 | マイクロエレクトロニクス技術革新と格差問題 | 【第15回】 | ネットワーク化とアメリカ経済の再生 |
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