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授業の概要(ねらい) |
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現代社会では多くの統計データが存在しています。社会科学(経済、経営、教育等)に限らずスポーツや医学・生物など様々です。こうしたデータから人々はそれぞれの目的で情報を得よう(分析しよう)とします。そのためには、まず対象データの俯瞰(データの概ねの特徴を把握)をしたのちに、目的に沿ったデータの整理をする必要があります。その整理の方法は当然分析目的によって異なります。こうしたときに頼るのが統計学です。統計学はまず分析目的によってデータ整理をする方法を教えてくれ、またさらにはそこから推測や判断をする手立て(理論)も教えてくれます。ただ、適切な方法を選ぶのは分析目的をもった統計利用者に委ねられるので、統計利用者は統計学を習得する必要があります。この講義(統計学Ⅰ、II)はそのためのものです。 春学期(統計学Ⅰ)の後半では、推測統計(秋学期)への入り口として確率の基礎的考え方を学びました。本授業(統計学Ⅱ)はそれを引き継いで、統計的推測などの方法を学びます。 授業は各回とも演習を行いながら進めます。
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2. |
授業の到達目標 |
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・母集団と標本の関係、および標本分布に関する性質を理解する。 ・標本から母平均や母分散を推定する方法を具体例に応用できる。 ・母集団についての仮説・検定の方法を応用できる。 ・直線回帰の原理・方法を理解し応用できる。
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成績評価の方法および基準 |
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2回の課題レポート(各20%)と中間テスト・期末テスト(各30%)で評価します。
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教科書・参考書 |
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テキスト(教科書)として次を利用します。 篠崎信雄・竹内秀一『統計解析入門【第2版】』(サイエンス社2009年) 春学期は第7章から第11章までを範囲とします。
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準備学修の内容 |
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前回の復習(特に計算演習)を十分こなしてください。それが次回の講義の予習(理解)につながります。
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その他履修上の注意事項 |
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・この分野は本を目で追うだけでは体得できませんので、計算など必ず手を動かす(筆記する)ことを心がけてください。 ・教科書の表や図を授業で使いますので、必ず教科書を持参してください ・また、√(ルート、平方根)の計算できる電卓は授業に必須です。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 授業の概要説明と春学期の復習 | 【第2回】 | 確率変数の独立性、確率変数の和の平均と分散 | 【第3回】 | 確率変数の和の分布(特に、正規分布に関して) | 【第4回】 | 標本分布と統計的推測 | 【第5回】 | 母平均の推定(母分散が既知の場合)課題レポート(1) | 【第6回】 | 母平均の推定(大標本の場合、母分散が未知の場合) | 【第7回】 | 母分散の推定 | 【第8回】 | 前半のまとめ、中間テスト | 【第9回】 | 仮説検定(平均値の検定) | 【第10回】 | 仮説検定(比率の検定) | 【第11回】 | 仮説検定(差の検定) | 【第12回】 | 直線回帰と最小二乗法、課題レポート(2) | 【第13回】 | 直線回帰の残差と決定係数 | 【第14回】 | 直線回帰に関する検定 | 【第15回】 | 後半のまとめ、期末テスト |
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