Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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起業家演習 I 大下  茂
選択  2単位
【経営】 17-1-1130-3210-09

1. 授業の概要(ねらい)

 この演習は、『将来への備え・実現性のある企画術の学び』をテーマとする、経営実践プログラムとして開講する。
 『まち・ひと・しごと創生法(地方創生法)』により、地方において人材育成と創業促進が本格的に展開されることとなる。それに先立ち中小企業庁では、創業支援を整えるとともに、地方発の新たな事業の担い手の創出を支援する「創業スクール」を全国各地で展開している。その背景には、我が国の開業率は、近年4~5%で推移しており欧米の半分程度、特に、大都市圏以外の地域における開業率は低迷しており、地方創生法にもとづく戦略プランの実現のためにも地域に根ざした創業を促進するための土壌づくりを広く横断的に実施すことが必要と認識されていることによる。
 このように地方における創業が期待される中で、創業・起業に関する知識を有していることは、自身の大きな特徴・個性となることが期待されるとともに、就職活動の際の選択肢を広げることにもつながる。
 本演習は、自身の描くビジネスモデルをもとに1年間の演習を通じて起業家に求められる、1)創業者の資質(情熱・理念、独創性・読み取る思考等)、2)事業計画書の作成力、3)組織化に関する知識、4)経理に関する知識、5)税金に関する知識、6)実現に向けてのプロセスと準備等の知識の習得や心構えを習得することで、『夢を夢で終わらせずに夢を実現すること』につなげるための支援に努める。1年間の演習で完結する内容としているため、通年での受講を求める。講義と演習とを組み合わせることで、より実践的・実学的な講義運営を行う。
 実学に基づく演習であるため、受講学生の上限を25名と制限し、受講者が超えている場合は、通年での受講希望者、第1回の講義の際の受講希望書(起業に対するイメージ)を参考に受講の可否を判断するため、第1回目のガイダンス講義は必ず出席のこと。また、講義・発表の際には、中小企業診断士の講師を招聘し、提案企画・構想に対する実践的な助言を受ける等、実践的な演習の機会をつくる。

2.
授業の到達目標

 ①起業に向けてのステップを理解し、そのために必要な知識の概要を理解できる。
 ②漠然としていた夢を事業計画として描くことができる。
 ③起業・創業に向けての段階を理解できる。
 ④起業・創業に向けての行動に移す心構えを備えることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 演習系科目のため出席は必修である。評価は演習による自身の起業イメージシート作成と出来栄えが40%、各学期最低2回の発表を行うこととしその評価が30%、質疑応答への参加が10%、演習運営への主体的な貢献が20%の配分によって総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 ①夢を実現する創業(中小企業庁)
  http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sogyo/pamphlet/2016/download/h28Sogyo.pdf2
 ②創業の手引き(日本政策金融公庫)
  https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/pdf/sougyou_tebiki_160916.pdf
 ③その他、各自の興味対象に関する書籍

5.
準備学修の内容

 自分でイメージした起業の領域・分野に関する事業・業界等に対する研究・知識の習得に継続的に取り組むこと。
休日等の時間を使い、現場でものごとを考えることを習慣化する姿勢をもつこと。

6.
その他履修上の注意事項

 受講を希望する学生は、第1回のガイダンス講義に必ず出席すること。
 演習に主体的に参加することによって「物の見方や捉え方」「現実に至る過程や背景」等を習得し、マニュアル思考から脱皮する思考を身につけてほしい。当然ながら、企画書作成等の課題・演習を通じて得た論理性・プレゼン・各種PCソフトの使い方・技能も身につくことに期待している。
 また、3年生の受講者は、4年生の同講義の2年目も受講し、3年生の指導を通じて起業に対する理解を深めるとともに、起業のイメージを実現に近づけるよう企画・構想の磨きかけ・実現化を期待したい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 授業の全体構成の解説・受講希望書(起業に対するイメージ)作成
【第2回】
 起業・創業に対する教員の体験談と備え
【第3回】
 自身の描いている夢を語る(1)
【第4回】
 自身の描いている夢を語る(2)
【第5回】
 [講義]経営理念について(創業者の資質)
【第6回】
 [講義]時代を見通す力・時代の思潮を掴む
【第7回】
 [講義]事業計画(ビジネスプラン)について
【第8回】
 [演習]テーマ・収益性・背景
【第9回】
 [演習]優位性・将来性・実現性
【第10回】
 [講義]図解表現について~プレゼン資料の表現法
【第11回】
 [演習]事業構想について
【第12回】
 [発表]事業構想についての発表
【第13回】
 [講義]資金化について
【第14回】
 [演習]開業資金の計算・見通し(1)
【第15回】
 [演習]開業資金の計算・見通し(2)・前期総括と夏期休暇期間の課題