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授業の概要(ねらい) |
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本講義は、文化人類学的観点から、観光という社会現象を読み解いていく。本講義では特に、文化人類学者・民俗学者たちが書き記してきたエスノグラフィー(フォークロア)や事例研究を参照軸に、観光が社会というミクロな文脈でいかに捉えられてきたのかを考えていきたい。 本講義では特に、日本における観光現象について、観光人類学の基本概念を用いながら、受講者自身が事例を探し出し、分析できるようになることを目指す。特に、「観光対象の真正性と文化の商品化・客体化」、「観光経験の真正性」、「ホスピタリティ産業の実践知」という3つのテーマを設定したうえで、その内容を受講生とともに議論していく。
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2. |
授業の到達目標 |
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(1)観光人類学の基本概念について、説明することができる。 (2)観光人類学の基本概念を用いて、事例を説明することができる。 (3)観光人類学の基本概念を用いて、事例を分析し、独自の視点を提示することができる。
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成績評価の方法および基準 |
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・事前課題:40% *事前にこちらが指定した文献を読み、こちらが事前に提示する課題に答えること(各600字程度を予定)。 ・授業内課題:15% *事前課題を踏まえたうえで、授業内でのディスカッション内容をまとめる。 ・事後課題:45%(3回) *事前課題と授業内課題(ディスカッション等)を踏まえたうえで、事後課題を1200字程度にまとめる。 *なお、提出した事前・事後課題については、授業内に受講者全員に配布する予定である。
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4. |
教科書・参考書 |
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【参考書】 ・安村克己・堀野正人・遠藤英樹・寺岡伸悟編著.2011.『よくわかる 観光社会学』ミネルヴァ書房。 ・青木義英・廣岡裕一・神田孝治編.2011.『観光入門―観光の仕事・学習・研究をつなぐ』新曜社。 ・大橋昭一・遠藤英樹・神田孝治・橋本和也編.2014.『観光学ガイドブック』ナカニシヤ出版。
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準備学修の内容 |
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・本講義は反転授業(フリップド・クラスルーム)形式で行う。事前にこちらが指定する参考図書を読んでくること。その内容を踏まえ、授業内では議論を中心に行う。 ・授業でのディスカッション内容と参考図書を踏まえ、課題をまとめて提出すること。
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その他履修上の注意事項 |
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・授業は事前課題をやっていることを前提に進められます。必ず事前課題をやってくること。 ・計画的に課題をこなすことが求められます。スケジュール管理はしっかりと。 ・希望者がいる場合、授業時間外にフィールドワークを行うこともある。その際は、成績評価には含めず、実施費用は自己負担となる。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション:観光人類学とは何か? | 【第2回】 | 【講義】エスノグラフィーから観光を読み解く:観光をパフォーマンスとして捉える | 【第3回】 | 【講義】テーマ1:観光対象の真正性と文化の商品化・客体化 | 【第4回】 | 【講義】事例研究:「よさこいソーラン」をめぐるダイナミズム | 【第5回】 | 【演習】ディスカッション:受講者の事例研究からテーマを読み解く | 【第6回】 | 【演習】課題レポートからテーマをまとめる | 【第7回】 | 【講義】テーマ2:観光経験の真正性 | 【第8回】 | 【講義】事例研究:バックパッカーの「ホンモノ」と「ニセモノ」 | 【第9回】 | 【演習】ディスカッション:受講者の事例研究からテーマを読み解く | 【第10回】 | 【演習】課題レポートからテーマをまとめる | 【第11回】 | 【講義】テーマ3:ホスピタリティ産業の実践知を考える | 【第12回】 | 【講義】事例研究:旅行会社の現場をフィールドワークする | 【第13回】 | 【演習】ディスカッション:受講者の事例研究からテーマを読み解く | 【第14回】 | 【演習】課題レポートからテーマをまとめる | 【第15回】 | 講義のまとめ-人類学から観光を考える |
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