Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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観光人類学 II 安田 慎
選択  2単位
【観光経営】 17-1-1130-3398-06

1. 授業の概要(ねらい)

 本講義は、過去に日本を訪れた「訪日外国人」たちが、日本をどのように見てきたのかを「エスノグラフィー」という観点から読み解くことに主眼を置いている。
 明治の「開国」と同時に、多くの外国人たちが日本を訪れ、自分の興味関心に従って日本を記述してきた。その内容は日本の見る日本とはまた異なった、彼等のライフスタイルや価値観に基づいた「ニッポン」の姿を現していると言える。しかし、それはともすると暗黙的に共有されてきた、日本の社会規範や価値観を浮かび上がらせるものでもある。
 そこで本講義では、文化人類学や観光人類学が行ってきた「フィールドワーク」、「フィールドノート」、「エスノグラフィー」といった手法や議論を踏まえながら、過去の訪日外国人たちが日本をどのように捉え、どのように記述してきたのかを探っていきたい。

2.
授業の到達目標

 (1)エスノグラフィーの読解を通じて、観光人類学の基本概念について、説明することができる。
 (2)観光人類学の基本概念を用いて、旅行経験の持つ役割について説明することができる。
 (3)観光人類学の基本概念を用いて、事例を分析し、独自の視点を提示することができる。

3.
成績評価の方法および基準

・事前課題:40%
 *事前にこちらが指定した文献を読み、こちらが事前に提示する課題に答えること。
・授業内課題:60%
 *事前課題を踏まえたうえで、授業内でのディスカッション内容をまとめる

4.
教科書・参考書

【教科書】
中村明.2013.『グローブ・トロッター 世界漫遊家が歩いた明治ニッポン』朝日新聞出版.

5.
準備学修の内容

・本講義は反転授業(フリップド・クラスルーム)形式で行う。事前にこちらが指定する参考図書を読んでくること。その内容を踏まえ、授業内では議論を中心に行う。

6.
その他履修上の注意事項

・授業は事前課題をやっていることを前提に進められます。必ず事前課題をやってくること。
・計画的に課題をこなすことが求められます。スケジュール管理はしっかりと。
・希望者がいる場合、授業時間外にフィールドワークを行うこともある。その際は、成績評価には含めず、実施費用は自己負担となる。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション:今いちど観光人類学とは何か?
【第2回】
【講義】『グローブ・トロッター』を読む(概要説明)
【第3回】
【輪読】80日間世界一周の時代、グローブ・トロッターがニッポンの土を踏む
【第4回】
【輪読】ツアーに参加するか、紹介状を握るか
【第5回】
【輪読】ボヘミアン・グローブトロッターの金満旅行
【第6回】
【輪読】東海道を行く人、中山道で来る人
【第7回】
【輪読】ガイドブックを片手にバックパッカーが行く
【第8回】
【輪読】冒険旅行家が歩いた日本の奥地
【第9回】
【輪読】冒険旅行家が歩いた日本の奥地
【第10回】
【輪読】世界一周スピード競争に血眼になる
【第11回】
【輪読】「ソハネの法則」で見るノーベル賞作家の旅
【第12回】
【輪読】夫婦で行く憧れのファー・イースト
【第13回】
【輪読】明確な目的をもつ旅人たち
【第14回】
【輪読】グローブトロッターを越えて
【第15回】
後期のまとめ-観光人類学を活用する