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授業の概要(ねらい) |
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本講義は、過去に日本を訪れた「訪日外国人」たちが、日本をどのように見てきたのかを「エスノグラフィー」という観点から読み解くことに主眼を置いている。 明治の「開国」と同時に、多くの外国人たちが日本を訪れ、自分の興味関心に従って日本を記述してきた。その内容は日本の見る日本とはまた異なった、彼等のライフスタイルや価値観に基づいた「ニッポン」の姿を現していると言える。しかし、それはともすると暗黙的に共有されてきた、日本の社会規範や価値観を浮かび上がらせるものでもある。 そこで本講義では、文化人類学や観光人類学が行ってきた「フィールドワーク」、「フィールドノート」、「エスノグラフィー」といった手法や議論を踏まえながら、過去の訪日外国人たちが日本をどのように捉え、どのように記述してきたのかを探っていきたい。
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2. |
授業の到達目標 |
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(1)エスノグラフィーの読解を通じて、観光人類学の基本概念について、説明することができる。 (2)観光人類学の基本概念を用いて、旅行経験の持つ役割について説明することができる。 (3)観光人類学の基本概念を用いて、事例を分析し、独自の視点を提示することができる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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・事前課題:40% *事前にこちらが指定した文献を読み、こちらが事前に提示する課題に答えること。 ・授業内課題:60% *事前課題を踏まえたうえで、授業内でのディスカッション内容をまとめる
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教科書・参考書 |
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【教科書】 中村明.2013.『グローブ・トロッター 世界漫遊家が歩いた明治ニッポン』朝日新聞出版.
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準備学修の内容 |
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・本講義は反転授業(フリップド・クラスルーム)形式で行う。事前にこちらが指定する参考図書を読んでくること。その内容を踏まえ、授業内では議論を中心に行う。
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その他履修上の注意事項 |
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・授業は事前課題をやっていることを前提に進められます。必ず事前課題をやってくること。 ・計画的に課題をこなすことが求められます。スケジュール管理はしっかりと。 ・希望者がいる場合、授業時間外にフィールドワークを行うこともある。その際は、成績評価には含めず、実施費用は自己負担となる。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション:今いちど観光人類学とは何か? | 【第2回】 | 【講義】『グローブ・トロッター』を読む(概要説明) | 【第3回】 | 【輪読】80日間世界一周の時代、グローブ・トロッターがニッポンの土を踏む | 【第4回】 | 【輪読】ツアーに参加するか、紹介状を握るか | 【第5回】 | 【輪読】ボヘミアン・グローブトロッターの金満旅行 | 【第6回】 | 【輪読】東海道を行く人、中山道で来る人 | 【第7回】 | 【輪読】ガイドブックを片手にバックパッカーが行く | 【第8回】 | 【輪読】冒険旅行家が歩いた日本の奥地 | 【第9回】 | 【輪読】冒険旅行家が歩いた日本の奥地 | 【第10回】 | 【輪読】世界一周スピード競争に血眼になる | 【第11回】 | 【輪読】「ソハネの法則」で見るノーベル賞作家の旅 | 【第12回】 | 【輪読】夫婦で行く憧れのファー・イースト | 【第13回】 | 【輪読】明確な目的をもつ旅人たち | 【第14回】 | 【輪読】グローブトロッターを越えて | 【第15回】 | 後期のまとめ-観光人類学を活用する |
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