Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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観光文化論 I 安田 慎
選択必修  2単位
【観光経営】 17-1-1130-3398-07

1. 授業の概要(ねらい)

 本講義は「旅行・観光エスノグラフィーを読む・語る・書く」というテーマで行う。前期は日本を舞台にしながら、旅や観光の文化がエスノグラフィー(旅行記)のなかでいかに表現されてきたのかを考えていく。
 旅・観光における観光者は、ただ単に観光地に行って観光資源を消費する訳ではなく、出発前から旅の途中、旅行の後といった多様な場面の総体のなかで意味づけられていく。同様に、同じ場所でも「旅の友」(家族、友人、仲間など)によって、その都度観光地と違った関わり方をし、違った経験をしているはずである。
 本講義では旅行記や旅行記事から、そうした「旅の仕方」の魅力を探っていくと同時に、自分なりの「旅の価値」を探っていくことを目的とする。

2.
授業の到達目標

 (1)エスノグラフィーから、旅の仕方の持つ魅力を探し出し、紹介することができる。
 (2)自分の旅行体験から、旅の価値について他人にその魅力を口頭でまとめ、表現することができる。
 (3)旅の価値について、エスノグラフィー(旅行記)という形で表現することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 (1)観光エスノグラフィーの紹介:30%
 (2)観光エスノグラフィーの発表:30%
 (3)観光エスノグラフィーの作成:40%
  *成績については、受講者と教員の双方の評価によって決定する。

4.
教科書・参考書

 【参考書】
  ・岸政彦・石岡丈昇・丸山里美.2016.『質的社会調査の方法-他者の合理性の理解社会学』有斐閣。
  ・佐藤郁哉.2002.『フィールドワークの技法 問いを育てる、仮説をきたえる』新曜社。
  ・好井裕明.2006.『「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス』光文社新書。
  ・好井裕明.2014.『違和感から始まる社会学 日常性のフィールドワークへの招待』光文社新書。

5.
準備学修の内容

 ・普段から、多様な旅行記や旅行雑誌記事を読むようにして下さい。
 ・自分の旅行体験を旅日記にしてみたり、普段から日記をつけるようにしてみて下さい。
 ・旅行の写真等は保存し、使えるようにして下さい。
 ・語彙力や表現力を磨いてみて下さい。

6.
その他履修上の注意事項

 ・授業外に個人で実際に観光旅行に行ってもらい、その旅行記・体験記(エスノグラフィー)を書いてもらいます。その時間・費用については学生自身の負担となります。
 ・作成したエスノグラフィーについては、授業成果として原則ウェブ上で公開します。
 ・受講者で希望者があれば、土日に日帰りでの郊外学習(エスノグラフィー作成のための実習)を別途行う。その際、成績対象には含めず、参加費用については参加者の実費負担とする。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 【講義】観光エスノグラフィーとは何か?
【第3回】
 【講義】観光エスノグラフィーを探る
【第4回】
 【演習】観光エスノグラフィーを見つける
【第5回】
 【発表】観光エスノグラフィーを紹介する
【第6回】
 【講義】フィールドワークとは何か?
【第7回】
 【演習】観光旅行計画を立ててみる
【第8回】
 【発表】観光旅行計画を発表する
【第9回】
 【講義】エスノグラフィーを書いてみる
【第10回】
 【発表】観光旅行報告(その1)
【第11回】
 【発表】観光旅行報告(その2)
【第12回】
 【演習】エスノグラフィーを書いてみる
【第13回】
 【演習】エスノグラフィーを読みあう
【第14回】
 【演習】エスノグラフィーを修正する
【第15回】
 学生・教員による総評会