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授業の概要(ねらい) |
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この講義では、「中東観光」をキータームに、中東の情勢を概観していく。 中東観光は、欧州における市民革命と産業革命のなかで出現したマス・ツーリズム(大衆観光)の影響を色濃く受けながら発展してきた。特に、オリエンタリズムや植民地主義の隆盛のなかで、都市・農村の空間や社会や人の規律や実践が、観光を通じて規定されてきたと言える。その点、中東観光とは欧州社会の鏡のような存在であり、逆に欧州社会の光と闇が、中東観光のなかに反映されていると言えるであろう。これらの動きに対して反発や超克の試みがなされるなかで、近年では地域独自の観光文化を発展させるにも至っている。 そこで本講義では、中東観光の歴史と現状を紐解きながら、受講者自身が中東観光の「案内人」として、日本社会と中東社会を「観光」を通じて取り結んでいくことを目指す。
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授業の到達目標 |
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(1)中東観光に関する基本的な知識を身につける。 (2)観光に関する基本的な知識や手法を身につける。 (3)中東の観光・文化について、興味関心のある事項を調べて文章にまとめることができる。 (4)中東観光を事例に、異文化と自文化を取り結ぶ「案内人」としての能力を修得する。
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成績評価の方法および基準 |
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・小レポート課題:100% *各授業毎に、A4で1枚程度の小レポート課題(1000字程度)を設定する。小レポート課題の4段階で評価し、その合計点をもって成績とする。 *提出回数が2/3未満の場合、自動的にR評価とする。 *授業態度や小レポートの内容が要求を満たさない場合には、欠席として扱う。 *課題はLMS経由でpdfファイルによって提出する。それ以外の方法での提出は認めない。
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教科書・参考書 |
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【参考書】 ・安田慎.2016.『イスラミック・ツーリズムの勃興 宗教の観光資源化』ナカニシヤ出版。
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準備学修の内容 |
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・中東は日本と関わりのないように見えて、色んな場面で関わりがあります。自分の身の回りにある「中東」を探してみて下さい。そして機会があれば、ぜひとも中東に足を運んで、自分の目と足で現状を確認してみて下さい。 ・旅行雑誌やガイドブックに目を通すようにしてみて下さい。 ・指定する参考文献について簡潔にまとめたうえで、受講者の意見を述べることを求める。
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その他履修上の注意事項 |
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・中学・高校時代に使用していた地図帳を持参することが望ましい。常に講義内容が地図上のどこの現象なのかを確認すること。 ・希望者がいる場合には、中東関連の施設訪問等の校外学習を行う。なお、実施に当たっては費用はすべて自己負担とし、成績評価等には一切含めない。 ・中東の観光に関わる情報に敏感になって下さい。近年では、日本でも中東観光に関する情報は増えています。さらに、中東観光に触れながら、自分の視野を広げていくことを強く望みます。 ・授業を生かすも殺すも皆さん次第です。常に主体的な態度での受講を望みます。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション | 【第2回】 | 中東とはどのような地域か? | 【第3回】 | 中東観光とオリエンタリズム | 【第4回】 | マス・ツーリズムの誕生と中東ツアー | 【第5回】 | 古代エジプト遺跡発掘と考古学博物館 | 【第6回】 | ベリーダンスの広がり-エキゾチック・エロチック・エレガント | 【第7回】 | フェズ-アラブ的都市開発 | 【第8回】 | カイロ-オリエンタリズムのなかのアラブ文化都市 | 【第9回】 | イスタンブール-東洋と西洋が出会う都市 | 【第10回】 | アレッポ-中東観光とリスク・マネジメント | 【第11回】 | ワーディー・ラム-中東のエコツーリズム | 【第12回】 | ドバイ-中東の現代リゾートと楽園都市 | 【第13回】 | ドーハ-中東最大のイベント都市 | 【第14回】 | マッカ-世界最大の宗教観光都市 | 【第15回】 | 講義のまとめ-中東観光の未来とは? |
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