Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
演習 II 小沢 健市
必修  2単位
【経済】 17-1-1130-3752-04

1. 授業の概要(ねらい)

 演習Ⅱでは,春学期に引き続き,ミクロ経済学の基礎概念や基礎理論の習得とそれを観光事象の分析にどう適用可能かを受講生のプレゼンテーションと課題の解答作成を通じて学ぶことが目的である.
 特に,演習Ⅱでは観光事象の経済学的な分析の仕方を学ぶことが主たる目的であるが,受講生自らが観光の経済的側面以外の他の経済問題に対してミクロ経済理論を適用分析し,問題解決能力の向上に役立てることが可能になるように配慮したい.そのために,新聞やニュースそしてさまざまなメディアで取り上げられている経済問題に対して修得したミクロ経済理論を適用し,分析することができるようにするために,種々の練習問題を解きながら授業を進めたいと考えている.そうすることによって,経済学的に現実の問題を解決するとはどういうことなのか,「分析する」とはどういうことなのかといったことを受講生自らが理解可能になるからである.

2.
授業の到達目標

 受講生全員がミクロ経済学の基礎理論の習得とその観光事象および他の経済問題そして課題に対して経済理論を適用し分析するということを繰り返し学ぶことによって,受講生自らが問題解決能力を向上させることが可能になると同時に.それを反復することによって,さまざまな他の経済問題の解決のためにもミクロ経済理論を適用し分析可能であることを学ぶ.

3.
成績評価の方法および基準

 受講生各自のプレゼンテーションの内容,期末のリポート,そして授業終了前に課す課題(宿題)の3点により評価するが,それら3点のウエイトは,プレゼンテーションが50%,期末のリポートと課題はそれぞれ25%として成績を評価する.但し,欠席が三分の一を超える受講生は不合格とする.

4.
教科書・参考書

 教科書は定めず,毎回プリントを配布し授業を進める.
 参考書は,古沢泰治・塩路悦朗 著 『ベーシック経済学』有斐閣アルマ

5.
準備学修の内容

 授業に出席する前には前回の授業の復習(事前の予習)と演習終了後には当日学んだことの復習(事後学習)を必ず励行すること,また課された加地についても各自その解答を準備し,次週の演習時間内に必ず提出すること.

6.
その他履修上の注意事項

 この授業ではミクロ経済学の基礎理論を学びながら経済問題の解決を目指すが,受講生のその能力をより向上させるために同時並行的にミクロ経済学とマクロ経済学の講義を履修すること.履修できない場合には,担当教員から許可を得て,聴講を許可させてもらうこと.

7.
各回の授業内容
【第1回】
 演習Ⅱのオリエンテーションと秋学期の演習の内容の説明:プレゼンテーションのためのチームの再編成
【第2回】
 消費者の財・サービスの消費は彼ら自身の消費目的と彼らが直面する制約条件によって制約される:効用最大化と制約条件の説明
【第3回】
 制約条件の下での消費者として観光者の効用最大化の必要条件の数値例を用いた説明とその図解:(課 題・効用最大化を簡単に説明せよ)
【第4回】
 効用最大化の必要条件の基数効用のケースと序数効用のケースの相違の説明:(課題・基数効用と序数効用を説明せよ)
【第5回】
 効用最大化を関数と数値例を用いて理解する:(課題・特定の数値を所与として,消費者の効用最大化消費財の消費量を計算せよ)
【第6回】
 企業は生産のために費用が必要である:企業の目的と生産費用の説明
【第7回】
 総費用と平均総費用・固定費用と平均固定費用・可変費用と平均可変費用,そして限界費用概念の説明と数値例を用いた各費用の計算例
【第8回】
 買手と売手の取引は,市場で行われる:市場構造の説明
【第9回】
 完全競争市場・独占市場・独占的競争市場・寡占(複占)市場の説明と各市場の特徴の詳細な説明:(課題・市場構造を簡単に説明せよ)
【第10回】
 民間企業の目的としての利潤最大化仮説の説明と利潤の計算:完全競争市場と独占市場とでは企業の利潤は異なる
【第11回】
 独占企業の利潤最大化の説明には限界収入関数が必要:企業の総売上高関数から限界収入関数を数値例を用いて導出する
【第12回】
 独占企業と完全競争企業ではどちらが効率的か,そしてその理由とは何か?(課題・競争企業と独占企業の効率性の違いを説明せよ)
【第13回】
 独占的競争市場では,企業の利潤は生産期間の短期と長期により異なる:(生産期間の短期と長期の相違を説明せよ)
【第14回】
 寡占企業の利潤最大化(複占企業の戦略を中心に)
【第15回】
 授業のまとめ