Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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担保物権法 北見 良嗣
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-0179-02

1. 授業の概要(ねらい)

 担保物権法は経済取引、特に金融取引の基盤を構成する重要な法領域の1つです。この講義では、主としてその基本的事項である抵当権についてテキストに沿って検討し、学生諸君の理解を深めることを狙います。
 抽象概念と現実の制度設計との間の双方向のインターフェイスを確保し、複雑な制度への理解がより容易に進むよう、具体例における利害関係や制度導入の背景になる社会経済事情についての分析を踏まえることにしたいと考えています。

2.
授業の到達目標

 ①担保物権、特に抵当権について基本的な理解力を得る。
 ②具体的な目標レベルとしては、法学検定スタンダード<中級>コース程度。

3.
成績評価の方法および基準

 最終回に実施する試験(85点)+平常点(15点)
 -平常点は、中間レポートにより採点します。

4.
教科書・参考書

 テキスト:内田貴『民法Ⅲ(第3版)-債権総論・担保物権』東京大学出版会(2005)
 参考文献:瀬川信久・内田貴・森田宏樹 編『民法判例集 担保物権・債権総論(第3版)』有斐閣(2014)
      安永正昭『講義物権・担保物権法(第2版)』有斐閣(2014)~より進んだ内容の履修を希望する学生向け。

5.
準備学修の内容

 授業の進行に合わせて指定した教科書の次回の授業範囲を読み、専門用語の意味等を理解しておくこと。また、授業で聴いた内容(特に分からなかった点)は、必ずその日のうちにノート整理を行い、復習すること。

6.
その他履修上の注意事項

 ①物権法を既に履修済みであることが望ましい。
 ②講義にはテキスト、六法は必帯。私語禁止。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション
 第13章 抵当権
 Ⅰ 物的担保への序説
 Ⅱ 抵当権とは何か
【第2回】
 第13章 抵当権
 Ⅱ 抵当権とは何か
【第3回】
 第13章 抵当権
 Ⅲ 被担保債権
 Ⅳ 目的物-付加一体物
【第4回】
 第13章 抵当権
 Ⅳ 目的物-物上代位
【第5回】
 第13章 抵当権
 Ⅳ 目的物-物上代位、法定地上権
【第6回】
 第13章 抵当権
 Ⅳ 目的物-法定地上権(個別価値考慮説vs全体価値考慮説)
【第7回】
 第13章 抵当権
 Ⅳ 目的物-法定地上権、一括競売
 Ⅴ 実行前の抵当権の効力-短期賃貸借
【第8回】
 第13章 抵当権
 Ⅴ 実行前の抵当権の効力-短期賃貸借、第三取得者との関係
【第9回】
 第13章 抵当権
 Ⅴ 実行前の抵当権の効力-抵当権の処分(転抵当)
 Ⅵ 実行段階の問題-担保不動産競売、担保不動産収益執行
【第10回】
 第13章 抵当権
 Ⅵ 実行段階の問題-共同抵当の割り付け
【第11回】
 第13章 抵当権
 Ⅶ 抵当権の消滅
 Ⅷ 根抵当権
【第12回】
 第13章 抵当権
 Ⅸその他
【第13回】
 第14章 質権
 特色、種類、設定、効力、再利用
【第14回】
 第15章 法定担保物権(1)留置権
 意義、効力、要件、権利義務、消滅
【第15回】
 第15章 法定担保物権(2)先取特権
 意義(一般・動産・不動産先取特権)、効力
 まとめ