Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
国際法(歴史・法源) 則武 輝幸
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-0420-08

1. 授業の概要(ねらい)

 国際関係をより良く理解するためには、国際社会を規律する法規範、すなわち国際法(国際公法)を知ることが必要である。2003年度まで、国際公法の講義は、国際公法 I (2年次配当4単位)、国際公法II(3年次配当4単位)の2科目に分かれていたので、私担当の国際公法 I では、国際法の総論にあたる部分について講義していた。(ただし、個人に関する国際法および外交使節・領事・外国軍隊に関する国際法については、例年時間切れとなるため、3年次配当の国際公法 II に譲っていた。)2004年度より、国際公法 I は、国際公法A(2年春期2単位)と国際公法 B(2年秋期2単位)、国際公法IIは、国際公法 C(3年春期2単位)と国際公法 D(3年秋期2単位)に分割されることになった。また、2013年度入学生より、国際公法Aは国際法(歴史・法源)、国際公法Bは国際法(主体)と改称されることになった。今年度の国際法(歴史・法源)(国際公法A)では、国際法の総論にあたる部分のうち、国際法の発展過程、国際法の法的性質、国際法の主体、国際法体系の構造、国際法の法源(存在形式)、国際法の効力関係、国際法と国内法の関係について、最新の具体的事例を踏まえて講義することにする。

2.
授業の到達目標

 ①国際法の基本として、国際法の歴史的発展過程を理解できるようになる。
 ②国際法の基本として、国際法の法源(存在形式)や国際法と国内法の関係について理解できるようになる。

3.
成績評価の方法および基準

 原則として、期末試験100%で評価する。中間試験やレポートは実施しない(詳しくは第1回で指示する)。

4.
教科書・参考書

 テキスト:『国際法(第2版)』 渡部 茂己・喜多 義人 編(弘文堂)
       『現代国際法講義(第5版)』 杉原 高嶺・水上 千之・臼杵 知史・吉井 淳・加藤 信行・高田 映 著(有斐閣)
 前者をメインテキスト、後者をサブテキストとして使用する。
 2012年度よりメインテキストを変更しているので、2010年度以前入学の諸君は注意されたい。
 参 考 書:『ベーシック条約集(2016年版)』 坂元 茂樹・薬師寺 公夫・浅田 正彦 編集代表(東信堂)
      『判例国際法(第2版)』 松井 芳郎 編集代表(東信堂)
      『国際法基本判例50(第2版)』 杉原 高嶺・酒井 啓亘 編(三省堂)
      『国際法判例百選 第2版』 小寺 彰・森川 幸一・西村 弓 編(有斐閣)
 その他、講義の中で適宜指示する。

5.
準備学修の内容

 必ず教科書・プリントで予習・復習をして、自学自習の習慣を身に付けて頂きたい。
 教室に座っていさえすれば単位がもらえると思っているならば、大間違いである。

6.
その他履修上の注意事項

 ①秋期の国際法(主体)(国際公法 B)も必ず履修して頂きたい。その他、国際法(空間)(国際公法C)・国際法(秩序維持)(国際公法D)、国際人権法(国際法特講A)・国際安全保障法(国際法特講B)、国際組織法I・II/A・B、国際経済法I・II/A・B、国際裁判所論I・II(国際紛争処理法A・B)、国際関係論I・II/A・B、国際政治学I・II/A・B、外交史I・II/A・B。極力、同じ2年次配当の国際関係論I・II/A・Bを履修することが望ましい。短大から受講する場合には、法学 I・II および国際理解 VI-I・II もしくは国際関係1・2の単位を取得しているか、並行して履修していることが望ましい。予備知識なしでは、理解は極めて困難である。また、3年次配当の国際法(空間)(国際公法C)・国際法(秩序維持)(国際公法D)、国際組織法I・II/A・B、国際経済法I・II/A・B、国際裁判所論I・II(国際紛争処理法A・B)、国際人権法(国際法特講A)・国際安全保障法(国際法特講B)を履修する場合には、この科目の単位を既に取得しているか、または並行して履修していることが、極力望ましい。
 ②毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビのニュースを見たりして、自発的に国際問題に対する関心を深めるよう、努力して頂きたい。
 ③おおむねテキストの順序に従って講義するが、随時、補足のためにプリントも配布する。講義の初日と最終日のみ出席するようないい加減な受講態度では、単位の取得は望めない。「先生の話はだまって聞きましょうね」、「勝手にお外に出てはいけません」とは幼稚園児が習うことである。幼稚園児「未満」の振舞いは、厳に謹んで頂きたい。途中で出て行くつもりなら、初めから来なくてよろしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 おおむね教科書の構成に従って、以下の順序で講義する。
 2012年度より若干構成が変わっているので、2010年度以前入学の諸君は注意されたい。
 オリエンテーション
【第2回】
 国際法の基本原理①
 国際社会と国際法
【第3回】
 国際法の基本原理②
 国際法の発展過程―古代
【第4回】
 国際法の基本原理③
 国際法の発展過程―古代(続き)
【第5回】
 国際法の基本原理④
 国際法の発展過程―中世
【第6回】
 国際法の基本原理⑤
 国際法の発展過程―中世(続き)
【第7回】
 国際法の基本原理⑥
 国際法の発展過程―近代国際社会の成立
【第8回】
 国際法の基本原理⑦
 国際法の発展過程―近代国際社会の成立(続き)
【第9回】
 国際法の基本原理⑧
 国際法の発展過程―初期の国際法学者(グロティウス以前)
【第10回】
 国際法の基本原理⑨
 国際法の発展過程―初期の国際法学者(グロティウス)
【第11回】
 国際法の基本原理⑩
 国際法の発展過程―初期の国際法学者(グロティウス以後)
【第12回】
 国際法の基本原理⑪
 国際法の発展過程―19世紀~20世紀
【第13回】
 国際法の基本原理⑫
 国際法の発展過程―日本と国際法の出会い(プリントで補足)
【第14回】
 国際法の基本原理⑬
 国際法の法的性質―国際法は法か?(プリントで補足)
 国際法の主体
 国際法体系の構造
 国際法と国内法の関係
【第15回】
 国際法の法源(存在形式)
 形式的法源と実質的法源
 条約
 国際慣習法
 法の一般原則
 判例および学説
 国際機構の決議
 国際法の効力関係(プリントで補足)
 ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。