Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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憲法研究 I 金澤  誠
選択  2単位
【法学研究科】 17-1-1210-1952-03

1. 授業の概要(ねらい)

 この演習は、憲法学の基本的な論点を取り上げて、憲法の理解をより深めることを目標とします。基本的な方法としては、判例研究を予定しています。
 最初のうちは、教科書に載っている古典的な事例から考察しますが、しだいに、最近の重要判例も考察の対象とする予定です。判例評釈が(あまり)出ていない事例を自分で読み解くことも重要な能力になります。
 前期の演習は、受講生が、自分たちで、興味あるテーマについて、判例集に直接あたって実際の判例(下級審を含む。)を読むこと、さらには、関連する多様な学説を調べることなどが主な課題となります。そうした作業を通して、論文を書くということの意味を教員とともに考えます。課題は、自分で見つけてきて、自ら一人で研究する。孤独な作業ですが、教員はちょっとしたサポートしかできません。ゼミの時間を、より有意義に使ってください。

2.
授業の到達目標

 ①憲法の分野におけるより高度な知識を習得し、修士論文等の作成にそれを生かすことができる。
 ②憲法にかんする判例や論文を「正確に」理解したうえで、それらに対するコメントを「適切に」付けることができる。他の受講生からの批判に適切に対応することができる。およそ「考えられうる」批判にも適切に対応することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 出席状況はもちろん(50%)のことですが、報告やプレゼンテーション、(とりわけ報告時以外の)発言状況などを踏まえて判定します(50%)。大学院では、自ら研究する姿勢が求められます。お客さん意識で、教えてもらおうなどとは考えないことです。

4.
教科書・参考書

 テキストや参考書は、初回に決めたいと思います。さしあたりは、学部時代に購入したような、憲法の基本書や判例集があると便利です。

5.
準備学修の内容

 報告者は、割り当てられた判例ないし文献を要約したうえで、論点を提示しながら自己の見解をレジュメにまとめ、口頭にて発表することになります。発表をする際には、判例だけでなく関連する論文を図書館などで探すこと(読むこと)が重要です。

6.
その他履修上の注意事項

 受講生による報告が基本です。報告者が責任を持って報告することが重要です。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 初回で読む判例や論文を決め、その担当を決める予定です。
【第2回】
 事例研究報告・全員による討論
【第3回】
 判例を調べる
【第4回】
 判例を読む
【第5回】
 判例を比較する
【第6回】
 判例を批判する
【第7回】
 判例の射程を考える
【第8回】
 判例を書いた人の気持ちになる
【第9回】
 上告理由を知る
【第10回】
 調査官解説を読む
【第11回】
 判例評釈を読む
【第12回】
 判例を予想する
【第13回】
 判例を回顧する
【第14回】
 判例を使う
【第15回】
 むすびにかえて