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授業の概要(ねらい) |
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安倍政権の「アベノミクス」といわれる経済政策や成長戦略を理解する上で必要な基本的理論フレームをマクロ経済理論や財政学の視点から解説します。同時に、現実に生じている経済、財政・税制、金融等の諸問題について自ら考察・思考できるよう視座を提供します。 春期、秋期の講義を通じ、経済財政政策(予算、税制、金融)の理論的・実践的背景について理解を深めます。また、行政を志す方々ばかりでなく、就職に役立ち広く一般国民としての基礎的知識の涵養を目指します。
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2. |
授業の到達目標 |
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①現代経済社会の諸問題に対し、マクロ経済学、財政学の基本を理論的に理解した上で、現下の経済政策、財政や税制に関する諸問題を把握し考察・思考できる基礎力を涵養することを目指します。更に ②経済財政政策、税制、行政を企画立案する際の理論的・実践的バックグランドについて理解を深め、現代経済社会の諸問題に対し将来の指針を見出して自ら見解を述べられることを目標にします。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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次の①及び②の総合評価とします。 ①毎回の講義テーマについて授業中での質問に対する答え方や基礎知識の習得など積極的な参加姿勢に対する評価(70%) ②我が国が直面する経済社会・財政の諸問題に対し自らの意見・見解を述べ記述できること(30%) (注)①のうち基礎知識の習得(毎回の授業で短答問題1問ずつ出題し解答又はヒントを紹介) 及び②の記述力の評価は授業内試験を実施し行います。
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4. |
教科書・参考書 |
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教材に『究極のマニフェスト・ノート』(2014年第2刷大倉出版発行)を使用しますので予め購入しておいてください。 (注)なお、毎回、財務省作成の資料・パンフレット等、就職や公務員試験・資格試験などにも役立つ資料を適宜配布します。各自、配布資料を上記教材に添付することを勧めます。
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5. |
準備学修の内容 |
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日頃から新聞、雑誌などの財政関連の記事はもとより、経済、金融、ビジネス、社会面の記事にも目を通しておいてください。
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その他履修上の注意事項 |
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◎第1回目の授業は特に重要です。成績評価方法や授業の内容、方法等について説明しますので必ず出席して下さい。 (注1)①講義は基本的に毎回テーマごと完結していますが、各テーマは関連深いので原則として全ての授業に出席することが望まれます。 ②授業は質問を交えながら行います。いわゆる聴講型の講義ではありませんので積極的に議論や対話に参加してください。 ③なお、生活設計やリスク・マネジメント向上に資するため社会保障制度や生命保険制度について実務家による実学講座を1回程度予定しています。 (注2)【関連科目】 ①この講義の理解を憲法、財政法、税法等法学的観点から更に深めるため「現代法の諸問題A/I」を同時に履修することを強く勧めます。また、秋期の「財政学B/Ⅱ」及び「現代法の諸問題B/Ⅱ」を履修することを強く勧めます。 ②この講義を通し経済財政政策、税制等公共政策のバックグランドへの理解を深め、今後、憲法(第7章財政等)、税法、行財政諸法など幅広く履修することを期待します。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 序:財政学とはどのような学問か ~授業の進め方とガイダンス~ | 【第2回】 | 「アベノミクス」と財政・金融・成長政策の役割 | 【第3回】 | 財政の占める位置 ~国民所得統計と公的部門~ | 【第4回】 | 財政をめぐる理論 ~古典派理論とケインズ理論~ | 【第5回】 | 財政赤字に関する理論 ~公債とその負担~ | 【第6回】 | 各国の財政赤字の状況と 財政健全化に向けた取組み | 【第7回】 | 税制と租税原則 ~最適課税と税制改革~ | 【第8回】 | 課税をめぐる理論(1) ~所得課税~ | 【第9回】 | 課税をめぐる理論(2) ~消費課税と資産課税~ | 【第10回】 | 課税をめぐる理論(3) ~租税特別措置の課題と役割~ (住宅減税措置、生命保険料控除等) | 【第11回】 | 少子高齢社会と社会保障制度 | 【第12回】 | 社会保障と税の一体改革 | 【第13回】 | 行財政改革と地方行財政改革 | 【第14回】 | 財政政策と金融政策 | 【第15回】 | 総まとめ ~将来の日本のために何をなすべきか~ |
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