Web Syllabus(講義概要)

　「私は警察などのごやっかいになるつもりはないから刑罰法規には無縁です」という「普通の人」でも、「裁判員」に指名され、凶悪事件の被告人を裁かなければならない時代になりました。私たちは一人一人が「国民」としてのなにがしかの責任と権利をもつ民主政治の中に生きているのです。
　責任、そして、人権などの具体的内容と根拠が書かれているのが最高法規、つまり憲法です。
　現在の日本国憲法は世界各国の憲法の中でも異例の長期間、つまり1947年に施行されて以来今日まで70年間全く改正されずにきました。改正を検討すべき点も旧漢字や歴史的仮名遣いをはじめとして多々あります。冒頭の刑罰についても、それに直面した容疑者・被告人の人権が手厚く記述されているのに、事件被害者の人権を具体的に保障する規定は記されていないのです。
　憲法は、国会議員の人たちが立法する法律とは異なり、国会議員は改正案を提示するだけで、最終的にはわたしたち国民自身が「国民投票」によって新たに作り、改めるのです。国民の判断が主体ですから、普通の国民であっても、全103か条の憲法各条には目を通し、大まかでもその内容を知っていることが望まれるのです。
　憲法は、就職活動において、また一般職の公務員、警察官・消防官・自衛官などの試験でも、知識が試されます。
　授業は、主権者国民としての教養や就活・試験に役立つ知識を培うことも考えながら進めます。
　憲法Ⅱでは、「国会」「内閣」「司法」「財政」「地方自治」など、政治の構造面を主に勉強します。
　なお、授業は毎回録画され、ＬＭＳで視聴することが可能です。

　基礎的で入門的な知識を理解し現実社会での活用ができる
　主権者としての意識が向上する

　毎回授業での評価（質疑、レポート等）50％と期末試験50％

　参考文献：西修ほか編著『エレメンタリ憲法　（新訂版）』（2008年　成文堂）3,024円
　参考文献：芦部信喜著・高橋和之補訂『憲法　第六版』（2015年　岩波書店）3,348円
　テキスト：読売新聞憲法問題研究会編 電子書籍『初学者が分かる解説日本国憲法』（2017年　読売電子書籍用テキスト）毎回LMSで配信します。

　LMS配信のプリントを中心に、授業のあったその日のうちに習ったことを確認しておきます。復習が中心です。この積み重ねを着実に実行しておけば、期末試験の負担は軽いはずです。
　授業の前の準備として、教科書でその日学ぶ章を読んでおきましょう。

　シラバスは目安で、適宜変更することがあります。数年前まで新聞で政治・外交・憲法を担当する取材記者でしたから、日々の新聞報道を活用した授業、レポートの提出・添削を心がけます。
　万一、授業を欠席した場合には、録画された授業をＬＭＳで視聴することができ、欠席分の穴埋めをすることが可能です。
　授業中の行動はすべて就活に直結すると考えて、あいさつを欠かさず、礼儀正しく、建設的、前向きに授業に臨みましょう。