Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
法思想史 I 長谷川 陽子
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-3842-03

1. 授業の概要(ねらい)

 西洋法思想の歴史的流れを、思想家が展開した理論を中心に概観します。人間にとって、法とはどのようなものであり、法を用いて人は何をしようとしていたのかを考えていきます。講義で扱う法思想は、当時の哲学・宗教・科学・文化の展開や、政治・経済の動向などとも関連しています。そうした背景を意識しつつ、各法思想家の理論と基本的特徴をつかむために、原典に触れつつ解説をします。法思想史Ⅰでは古代から近代までの思想を中心に扱います。

2.
授業の到達目標

 ①法思想の歴史的な流れを理解することができる。
 ②現代の法と法思想との関連を把握することができる。
 ③講義で得られた知見を、言語化して他者に説明することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 学期末の論述式試験(80%)を中心に評価します。出席確認を兼ねた感想シートを配布し、内容に応じて加点(20%)をします。

4.
教科書・参考書

 テキスト:深田三徳・濱真一郎編著『よくわかる法哲学・法思想 第2版』ミネルヴァ書房、2015年
      適宜レジュメを配布
 参考文献:大野 達司・森元 拓・吉永 圭著『近代法思想史入門: 日本と西洋の交わりから読む』法律文化社、
2016年
      竹下賢・角田猛之・市原靖久・桜井徹編『はじめて学ぶ法哲学・法思想―古典で読み解く21のトピック』ミネルヴァ書房、2010年
      その他参考文献については、随時お知らせします。

5.
準備学修の内容

 授業の該当箇所の教科書とレジュメ内容などの予習・復習を行ってください。
 関心を持った原典については、各自で読み進めるようにしてください。

6.
その他履修上の注意事項

 内容の連続性から法思想史Ⅱを継続して受講することが望ましいです。
 講義中は、他人への迷惑行為および私語を禁じていますので、該当の場合には退室をお願いしています。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション:授業の概要と進め方 法思想史の説明
【第2回】
 ギリシャ・ローマの法思想
【第3回】
 中世・近世の法思想
【第4回】
 近代自然法論の特徴と機能(1)―ホッブズ、ロック
【第5回】
 近代自然法論の特徴と機能(2)―ジェファーソン、ルソー
【第6回】
 カントとヘーゲルの法思想概観
【第7回】
 自然法批判と法実証主義的法思想
【第8回】
 分析法学と歴史法学、歴史法学と概念法学
【第9回】
 国際社会における法の支配
【第10回】
 国家と法の階級性
【第11回】
 価値相対主義法哲学―ラートブルフ
【第12回】
 イデオロギー批判と民主主義
【第13回】
 日本の法思想の概観
【第14回】
 自然法論の概観と法実証主義による批判(1)
【第15回】
 自然法論の概観と法実証主義による批判(2)