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授業の概要(ねらい) |
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国際私法Ⅱ/Bにおいても引き続き、国際的な生活の中で発生してくる法律問題を取り扱います。 本講義では、特に、国際取引法の分野を中心に、より身近な具体的事例に基づいて、それがどのような内容の法律であるのかといった基本的知識を提供します。 例えば、外国人Xが外国で最初に発行した著作物の著作権が日本で日本人Yによって無断で複製され頒布されたような場合にはどこの国の法律によって紛争を解決するべきかといった準拠法の決定が問題となります。 このような二国間あるいはそれ以上に跨る法律関係を扱うのが国際私法の領域であり、「法の適用に関する通則法」(条文に規定が存在しない場合には条約)という法律によって「準拠法」(どこの国の法律を適用するのか)を決定することになります。 毎回授業の後半では、具体的事例を提示し、その事例が、①「何に関する問題なのか」を明らかにし、②「何条文が適用されるのか」、③「条文の解釈」、④「具体的事例へのあてはめ」、⑤「結論」を導けるような授業設計の下、各回のテーマに沿った練習問題に挑戦してもらいます。その問題に取り組みながら、具体的なイメージに基づく論理的な思考方式を習得してもらいたいです。
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2. |
授業の到達目標 |
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国際私法という領域について規定する「法の適用に関する通則法」という条文の文言理解と、具体的な事例に基づいて、どこの国の法律を適用するのかといった準拠法の決定方法を理解し、説明できること。
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成績評価の方法および基準 |
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授業の成績は、授業内レポートの提出30%(少なくとも3回に1回程度簡単な授業内レポートを実施する)、期末試験70%で評価します。 「知的能力・技能の定着」は主として授業内レポート、「知識・理解の定着」は主として期末試験で評価することとします。授業に積極参加する者は高く評価します。なお、全体の授業の1/3欠席の場合にはいかなる理由があっても単位を認めません。
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4. |
教科書・参考書 |
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教科書:松岡博編『国際関係私法入門(第3版)』(2012年)有斐閣
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準備学修の内容 |
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授業で行った演習問題の復習が望まれます。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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六法と教科書は授業で使用しますので必ず持ってきてください。 出席日数が不足したことへの配慮は一切しません。 また、試験日以外での試験の実施、期限後のレポートの提出も一切認めませんので、以上の点を御理解の上登録してください。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス | 【第2回】 | 人の行為能力に関する準拠法 | 【第3回】 | 後見開始の審判等の準拠法 | 【第4回】 | 失踪の宣告の準拠法 | 【第5回】 | 法律行為の準拠法 | 【第6回】 | 法律行為の方式の準拠法 | 【第7回】 | 消費者契約の特例に関する準拠法 | 【第8回】 | 労働契約の特例に関する準拠法 | 【第9回】 | 物権等の準拠法 | 【第10回】 | 事務管理及び不当利得の準拠法 | 【第11回】 | 不法行為の準拠法 | 【第12回】 | 債権譲渡の準拠法 | 【第13回】 | 国際知的財産権法① | 【第14回】 | 国際知的財産権法② | 【第15回】 | まとめ ※二回程度外部スピーカーによる講義を行う予定です。 |
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